今年の読書(50)『新酒番船』佐伯泰英(文春文庫)
7月
2日
主人公「海次(かいじ)」は18歳、丹波杜氏である父の次男として、灘五郷の酒蔵「樽屋」の蔵人見習として「百日かせぎ」に出向いていましたが、「海次」の夢は酒造りよりは、父や兄が造った新酒を江戸に運ぶ新酒番船の江戸までの一番札をかけた勇壮な競争にありました。
「海次」には、心を寄せている幼馴染の「小雪」がいましたが、新酒造りが終わると、兄「山太郎」の嫁となることが待ち受けていました。「小雪」への思いを断ち切るように新酒番船に密航を企て、江戸までの初航海に出ていきます。
太平洋の荒波や海賊との激動を経て、「海次」の活躍もあり船は無事に江戸へ一番乗りを果たし「惣一番」となります。
「惣一番」のご祝儀に沸く中、「海次」は西宮への帰路につきますが、、浜辺には、