今年の読書(21)『映画と演劇』小笠原正勝(誠文堂新光社)
4月
14日
映画本編はもちろんのこと、関連するビジュアルとしての「映画ポスター」は、広告媒体として、また美術作品としても重要な役割を担っています。
本書はドイツの<ヴィム・ヴェンダース>監督、フランスの<ジャン=リュック・ゴダール >監督、ソ連の<アンドレイ・タルコフスキー>監督をはじめ、『ツィゴイネルワイゼン』(1980年・監督:鈴木清順)・『悲情城市』(1990年・監督:ホウ・シャオシェン(侯 孝賢))などのポスターを手がけたほか、<市川崑>『股旅』(1973年)によりカンヌ国際映画祭の第1回ポスターコンクールでグランプリを受賞している<小笠原正勝>の仕事をまとめています。
「映画ポスターの魅力 グラフィック・デザイナー小笠原正勝展」と題した特別展示が2019年11月16日(土)~2020年2月16日(日)まで静岡県浜松市中区「木下惠介記念館」(旧浜松銀行協会)が開催されたばかりですが、本書では、約500点のポスターを会社やジャンル、国別に掲載。制作にまつわるエピソードや、国立映画アーカイブの主任研究員・岡田秀則による特別寄稿など、全320ページで構成されています。