「はやぶさ2」(25)別の小惑星の接近観測続行
1月
10日
「はやぶさ2」は世界初となる人工クレーター作成などの任務を終え、昨年11月13日に「リュウグウ」を出発。今年末ごろ地球に接近し、採取した砂を収めたカプセルを分離します。カプセルは地上で回収 されますが、「はやぶさ2は」化学エンジンを噴射して離脱し、航行を続けます。
予定通り帰還できれば十分な燃料が残るため、運用チームは「挑戦的な運用技術を磨く貴重な機会になる」として、科学的な価値の高い運用を検討。木星付近まで到達可能なものの、観測機器や太陽電池の能力なども考慮し、「リュウグウ」と同じく地球~火星間にある小惑星への着陸を含む接近観測が最善と判断されています。
運用チームは、地球から比較的近い小惑星など354天体を抽出。地球や金星の重力を使った軌道変更(スイングバイ)を使えば、最短で6年後に到達できる小惑星が複数あることが分かっています。
また、金星でのスイングバイを2024年に行い、29年に到達できる小惑星も候補として検討されています。金星接近時に赤外線カメラで撮影し、ほぼ同じカメラを持つ金星探査機「あかつき」の観測結果と比較することも期待できるといいます。
運用チームは、10年前後で到達可能な小惑星の中から選定を進め、新たな目的地として提案します。