小惑星探査機「はやぶさ2」(20)、オーストラリア南部のウーメラへカプセルを帰還
8月
23日
ウーメラは大半が砂漠地帯で、オーストラリア軍の広大な試験場(12・7万平方キロ、本州の半分程度の面積)があります。試験場では、軍用機器やロケット発射などの実験を実施しています。(JAXA)によりますと、昨年11月に豪政府とカプセル回収に関する同意書を締結し、同年12月に(JAXA)が現地調査を実施。今年度中にカプセルの着陸許可を申請する予定だそうです。
「はやぶさ」は2010年6月13日、小惑星「イトカワ」の微粒子が入ったカプセルをウーメラ砂漠へ帰還させました。計画では、「はやぶさ」はカプセル分離後に別の天体を目指すはずでしたが、小惑星着陸後のトラブルで姿勢を変える化学エンジンの燃料が空になっていたため、探査機本体もカプセルとともに地球の大気圏に突入し、燃え尽きました。燃えながら地球へ帰ってきた「はやぶさ」は、満月よりも明るく輝き、世界中のメディアで報道されました。
「はやぶさ2」の計画でも、地球へカプセルを帰還させた後は別の天体を目指すことになっています。「はやぶさ2」は現在まで順調に運用されており、ウーメラにはカプセルだけが帰ってくる計画です。
「はやぶさ2」は、地球から約40万キロ離れたところで直径約40センチのカプセルを分離します。大気圏に突入すると、カプセルは1万度を超える高温にさらされるものの、内部を熱から守るために開発した素材で表面を覆い、小惑星「リュウグウ」で採取した物質が高温で変質しないように地表へ帰還します。