「アルプスの少女ハイジ」展覧会@スイス国立博物館
7月
8日
「ハイジ」は、<宮崎駿>さん(78)ら、後に「スタジオジブリ」で活躍するクリエーターらが制作。日本のアニメでは初めて海外で本格的なロケハンを行い、物語の舞台であるスイスの雄大な自然や欧州の食文化を描いています。「ハイジ」は、制作陣に才能あるクリエーターが集い、日本のテレビアニメの礎を築いた作品といわれています。<宮崎駿>さんがレイアウト(画面構成)、故<高畑勲>さんが演出(実質の監督)を手がけました。
「ハイジ」は1974(昭和49)年(1月6日~12月29日)に放映され、テレビアニメは全52話からなり、今年で45周年を迎えています。
展覧会は長年「ハイジ」に関心を持ち続けてきたチューリヒ大の<ハンス・ビャーネ・トムセン>教授(62)らが企画しました。アニメは、スペイン、ドイツ、イタリアなど欧州各国で放映され、人気を博しています。自国のオリジナル作品だと思い込む人も多いといいます。
展覧会は、「Heidi in Japan(ハイジ・イン・ジャパン)」と題し、セル画、ロケハンの写真、場面の設計図や関連グッズなど約200点が展示されます。
10月13日までの会期中には、研究者や当時の制作陣らが意見交換する国際会議も予定され、三重大の<大喜祐太>講師(ドイツ語学)らが参加する予定です。
展覧会のポスターは「ハイジ」のキャラクターデザイン・作画監督を務めた<小田部羊一>(1936年9月15日~)さん(82)が描き下ろしています。<小田部>さんは、草創期のアニメ業界を描いたNHK連続テレビ小説第100作目『なつぞら』ヒロインのモデルとされる故<奥山玲子>(1936年10月26日~2007年5月6日)さんの夫。「現地を取材してきちんとつくったかいがある。多くの方に、東洋の日本人がつくったことを知ってもらえたら」と期待を寄せる。プロデューサーの<中島順三>さん(80)は「海外に出た日本アニメとしては初期の作品。放映からほぼ半世紀がたった今も、忘れずに紹介してくれることがうれしい」と喜んでいます。
<アルプスの少女ハイジ> 原作の著者は、スイスの児童文学作家<ヨハンナ・シュピーリ>(1827年6月12日~1901年7月7日)さんです。アルムの山で暮らす活発な少女「ハイジ」を主人公に、祖父の「アルム」おんじや友人の「クラ」ラとの交流を描いています。