都城市旧市民会館の解体問題
2月
13日
勧告文は県や文化庁などにも同時に出されています。「あらゆる解体計画の停止」と「国際的な専門機関との(保存・活用に向けた)意見交換」を求め、従わない場合は、より強い国際的遺産警報(ヘリテージ・アラート)を発する準備があるとしています。強制力はありませんが、世界から文化財保護の在り方が問われることになり、発令されれば国内3例目。過去には<菊竹氏>設計の「出雲大社庁の舎(や)」(島根県出雲市)も対象になっています。
旧市民会館は1966年4月1日完成。高さ約26メートルで、コンクリートと鉄骨を組み合わせたハリネズミのような外観は今でも斬新です。メタボリズム建築の代表作の一つとされ、2006年にはDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選定されています。
会館は、新文化ホールの完成に伴い2007年に閉館。その後宮崎市の学校法人に無償貸与されたが、改築費用などを捻出できずに17年末には返還申し入れがされた経緯があります。
市は「人口減など優先課題が多い中、市単独の保存費用負担は困難」と判断し、民間活用に活路を求めた。日本建築学会(東京)も積極的に動いたが、民間企業からの活用提案はなく、昨年7月の市民アンケートでも8割以上が解体を支持したため、<池田>市長が最終決定しています。市は、新年度予算に解体予算を計上する方針で、国際的遺産警報の発令は必至の様相です。