老舗料亭「富貴楼」解体@長崎市上西山町
4月
27日
「富貴楼」は木造3階建て、建築面積約750平方メートル。前身は1655(明暦元)年ごろには営業していた料亭で、1889(明治22)年に初代首相の<伊藤博文>が屋号を命名。2007年10月2日に国の有形文化財に登録されています。
長崎伝統の卓袱(しっぽく)料理で親しまれていましたが、昨年6月に後継者不足を理由に休業。所有者側は今年3月末、売却先が見つからなかったことや、老朽化で第三者に被害を及ぼす恐れがあることから、長崎市景観重要建造物の指定解除を申し出ていました。
4月25日の市景観審議会では、市の担当者が建物の状況を説明。床の傾斜や地盤沈下などが確認されたことや、1~3階すべてで耐震性が低いことなどが報告されました。市としては、所有者による維持管理や民間による利活用、外観の保全がいずれも困難であることから、景観重要建造物の指定を解除しています。