本書は、角川書店が発行する『小説 野生時代』に掲載されていた4篇と、描き下ろし2篇を加えた6編からなり、連作短篇の構成になっています。
高校時代の同級生、<柿崎美和>・<滝澤鈴音>・<八木浩一>は同じH大学の医学部を目指していましたが、<柿沢>は安楽死疑惑で離れ島の診療所に左遷、<滝澤>は離婚して、余命半年の肝臓がんを患い、医学部入学は諦めた<八木>は放射線技師に甘んじた過去があります。
人生におけるつまずきは後悔すべきことではなく、新たな出発点だということを、三人三様の人間関係を通して、人生の機微や男と女の関係が紡ぎだされていく短篇でまとめられています。
タイトルの『ワン・モア』の意味が、新たなる人生の希望の言葉として、読後に胸に響いてくる一冊でした。
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