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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(53)『リアル・シンデレラ』姫野カオルコ(光文社文庫)

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今年の読書(53)『リアル・シ...
何気なく手にした本が、地元神戸と関連した内容であったり、前回に読んだ本と関連することなどがたまにあり、不思議な繋がりを感じるときがあります。
今回も『リアル・シンデララ』の主人公<泉(せん)ちゃん>こと<倉島泉>のお誕生日が、1950年4月29日の天皇誕生日(現・昭和の日)であり、日付の巡り合わせに驚きました。

小さな編集プロダクション「ベイエリア」に勤める女性ライターの<私>は、各国の「シンデレラ」物語に付いて調べていたところ、編集長の<矢作>から会社設立当初に会計を担当していた<泉ちゃん>の長篇ノンフィクションをまとめないかと持ちかけられ、彼女が生まれ育った長野県諏訪市に出向き、親族や知人たちを取材していきます。

一つ下の妹は病気がちですが、勉強もでき容姿も優れ、両親に溺愛されています。
<泉>は、彼女を知らない人にとっては仏頂面や無愛想な顔と見られる少女時代を過ごします。紆余曲折の末、結婚して湯治旅館<たから>の女将になるも、夫<亨>は従業員の<奈美>と関係を持ち、離縁するときも騒がず、素直に身を引いてしまいます。

読者は多くの登場人物が語る<泉>の人生をなぞることになりますが、女の倖せとは何か、人生の豊かさとは何かを自ら問わずにはおれない構成でまとめらています。

12歳の時、一人秘密基地で泣きながら「自分周りにいる自分じゃない人にいいことがあったら、自分も嬉しくなるようにしてください」という彼女の願い事が、最後の一ページに出てきますが、<泉>の人生を凝縮した言葉として涙を誘います。
#本 #読書

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