今年の読書(44)『総理にされた男』中山七里(NHK出版)
4月
10日
売れない役者の<加納慎策>は、国民党総裁<真垣統一郎>と瓜二つで、舞台の前座として総理の物真似で人気を得ていました。
そんなある日<慎策>は見知らぬ男たちに拉致され、総理官邸に連れて行かれますが、そこで内閣官房長官の<樽見>から、総理が病気で入院、彼の替え玉役を引き受けさせられます。
まったくの素人として政治の世界に飛び込んだ<慎策>が見たモノは、国民の生活を無視した不条理な現実ばかりでした。
熱血漢あふれる<慎策>は、<樽見>の指示を仰ぎながら政治・経済問題を処理していきますが、<真垣>が亡くなり、やがて<樽見>も心筋梗塞で亡くなってしまいます。
絶体絶命の窮地のなか、アルジェリアの日本大使館がテロ組織に占拠され、<慎策>はひとりで解決していかなければなりません。
非常にわかりやすく国会や議員の現状が描かれていると共に、日本の問題点を克明に描き出しながら、ユーモアあふれる構成で、ときに涙させる場面も多々あり、面白く楽しめた一冊でした。
投稿日 2016-04-11 08:29
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2016-04-11 08:36
ワオ!と言っているユーザー