今年の読書(24)『ジャイロスコープ』伊坂幸太郎(新潮文庫)
2月
23日
作品としては7篇が収められていますが、最後の『後ろの声がうるさい』は、書き下ろし作品として、前の作品の登場人物たちを受ける形での構成が見事でした。
「あとがき」に替わるインタビューで、長篇は自分の楽しみ、短篇は読書の楽しみを考えるとありましたが、2004年第57回日本推理作家協会賞短篇部門の受賞作品 『死神の精度』 などをはじめ、短編の名手として凝縮された<伊坂ワールド>が楽します。
粋な会話、軽快な文体、著者独特のウイットが楽しめる、短篇集でした。