札幌市の「ススキノ」を舞台とする<ススキノ探偵>シリーズの 『向う端にすわった男』 に次ぐ、第5作目が本書です。
自宅マンションの駐車場で、人気者の46歳のオカマ<マサコ>が、滅多打ちにされて殺されましたが、なぜか警察の捜査は遅々として進みません。
<マサコ>と友人だった<俺>は、義憤に駆られて調査を始めますと、地元出身の60歳の代議士<橡脇巌蔵>の名が浮かび、若い頃<マサコ>と愛人関係にあった噂を耳にします。
調査を進めていくなか、正体不明の男たちに襲われたり、金の匂いを嗅ぎつけた怪しげな<堤芳信>などが登場、見張られている自宅に帰れない<俺>は、ホテルやサウナを転々としながらも核心に迫っていきます。
ホモの世界や政治の裏側でうごめく裏の世界を横糸に、30歳を過ぎた<俺>の心情が軽快に展開、恋人の中学校の教師<安西春子>との関係もどうなるのかと、次巻に引き継ぐ形で本書は終わっています。
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