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『達人山を下る』室積光(中公文庫)

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主人公<山本俊之>は80歳、岡山県の賢人岳の山奥に42年前に移り住み、炭焼きや陶芸作品で生計を立てており、戦国時代から伝わる「昇月流柔術」の唯一の継承者です。

大学生の孫娘<安奈>が休みを利用して訪れる予定でしたが、来ないのを不審に感じた<俊之>は家に電話をして<安奈>が誘拐されたことを知り、42年ぶりに山を下り息子の家がある東京に出向きます。

<安奈>の妹<寛奈>を案内役として渋谷の街に繰り出し、不良グループの「神南クルー」を手掛かりに、暴力団「東京任侠会」がカルト教団へ拉致したことがわかり乗り込んでいきます。

<俊之>は元検事で、ある事件がきっかけで山奥にこもりましたが、息子<俊憲>も弁護士としてカルト教団と対峙している関係で、娘が誘拐され、<俊之>は一人でオカルト教団を壊滅させますが、教団が集めた金は民権党幹事長<野玉>へ献金されていました。

昔の事件が現代の事件へとつながり、「失禁のツボ突き」などの笑える技を織り交ぜながら、ユーモアあふれる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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