『達人山を下る』室積光(中公文庫)
9月
23日
大学生の孫娘<安奈>が休みを利用して訪れる予定でしたが、来ないのを不審に感じた<俊之>は家に電話をして<安奈>が誘拐されたことを知り、42年ぶりに山を下り息子の家がある東京に出向きます。
<安奈>の妹<寛奈>を案内役として渋谷の街に繰り出し、不良グループの「神南クルー」を手掛かりに、暴力団「東京任侠会」がカルト教団へ拉致したことがわかり乗り込んでいきます。
<俊之>は元検事で、ある事件がきっかけで山奥にこもりましたが、息子<俊憲>も弁護士としてカルト教団と対峙している関係で、娘が誘拐され、<俊之>は一人でオカルト教団を壊滅させますが、教団が集めた金は民権党幹事長<野玉>へ献金されていました。
昔の事件が現代の事件へとつながり、「失禁のツボ突き」などの笑える技を織り交ぜながら、ユーモアあふれる一冊でした。