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- 『れんげ野原のまんなかで』森谷明子(創元推理文庫)
主人公<今居文子>は、新米司書として秋庭市の北部にある図書館に勤務する新米司書です。
上司の<能瀬>や<日野>に囲まれて勤務する過程で、図書館に訪れる人たちの事件や人生の機微に触れながら、ひとりの女性として成長する過程が描かれています。
本書には5話の短短篇が収められ、事件の謎を解くのは<能瀬>であり<文子>ではありませんが、小児喘息を持つ5歳の女の子<あずさ>の父親として、本に関する博識な知識で事件を解決していきます。
特に本書のタイトルに結びつく第5話の『清明ーれんげ野原』は、実際にある童話『床下の小人たち』の一冊の本にまつわる構成で、17年前に起きた老女の凍死事件の真相をあばきながら素晴らしい解決策で締めくくられ、一人の男の再生物語として秀逸でした。
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