今年の読書(20)『露壜村事件』椙本孝思(角川文庫)
2月
5日
携帯電話も通じない人里離れた「露壜(ろびん)村」に、<清秀>から<果菜>の所に村に来るようにとのハガキが届き、兄と合流すべく<黒彦>と二人で出掛けるます。
村に付いた当日、村の長である<綾樫家>の当主<久作>が急死、お寺に向かう葬列の場面に出会い、<果菜>は<久作>の未亡人<ウタ>から生き神様だと見初められ、<綾樫家>に泊まることになります。
村の旧家として君臨する<綾樫家>ですが、古い因習が絡む中、当主の跡目争いなのか、長男・二男等が次々に惨殺死体で発見されていきます。
密室殺人ではありませんが、閉ざされた旧家の屋敷内中で起こる事件は読者に家族の犯行を推理させますが、「露壜村」全体を包み込むどんでん返しの結末が待ち受けている554ページでした。