終末期医療の訪問医として、2002年につくば市で開業された著者の感動の実話が、9編収められています。
1950(昭和25)年当時は、8割の方が自宅での在宅死でしたが、1976(昭和51)年を境に病院での院内死が逆転、今では家族に看取られての在宅死は1割になっています。
<在宅医療を成功に運ぶためには、医師が患者さんの経過を正確に把握し、病状の回復や悪化の程度を適切に判断し、それに応じた投薬や検査などを行う必要がある>と述べられ、重ねて<看護婦やヘルパーに適切な指示を与え、相互に連絡を密にして、連携プレーで在宅医療の効果を高める必要がある>と、決して医者任せだけでは解決しない問題の難しさを感じました。
医者の立場として、患者に治療を行うのは当然の行為でしょうが、無駄な延命処置で死に際に家族が立ち会えない状況は、死にゆく人への冒涜だと著者は考えられています。
<けれども、延命治療後の患者さんの死に顔には、例外なく苦痛がにじみ出ている。死臭も強い。自宅で自然に息を引き取った患者さんが安らかな死に顔で、ほとんど死臭を感じないのとは対照的である>という記述は、開業9年間で630以上の在宅死を看取られた著者ならではの言葉だと思います。
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投稿日 2012-02-19 22:04
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2012-02-20 07:15
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投稿日 2012-02-20 18:59
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投稿日 2012-02-21 17:54
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