先日、大学の帰りに三井記念美術館に寄って、「茶の湯の陶磁器"景色"を愛でる」展を見てきた。リニューアルオープン展の第2弾である。すべて美術館の所蔵品であるが、いくつかは8月7日までの入れ替えで、リーフレットにも掲載されている国宝の志野茶碗は今回見れなかった。まあ、以前見たことはあるので、特には問題はない。
窯変や結晶釉など好きで集めているので、「"景色"を愛でる」ということはよく理解できるが、やはり、茶道具はどうしても形を見てしまう。
前半の16世紀から17世紀の朝鮮の茶碗は良かった。黄瀬戸や備前の花入も良かったが、わざとつぶしたような伊賀や備前の水指は好きになれない。茶入は可愛いし窯変が多いので好きだが、最後の部屋に展示されていた楽茶碗は何回も見ているが、やはり、あまり好みではないな。まあ、お茶をやらないからかな..
おそらく、平戸当たりか有田の置物だと思われる。裏に(原?半作)という角印が押してあるが読めない。箱の右上にも窯印が押してあるが、薄くてやはりよく読めない。ただ、左下に彩壷堂とある。まあ、鷺と古木型花瓶に似ていたので、購入した。http://home.h00.itscom.net/shiokawa/JP_HeronOldTree_vase.html
波立つ岩の上に乗っているので鵜かなと思ったが、頭の上が赤の釉下彩で彩色されているので、一応、丹頂鶴とした。ロイヤルコペンハーペンのロック&ウェブの男女を番の丹頂鶴に置き換えているような感じもする。
板谷波山の霙青磁牡丹彫文花瓶である。先日、アップしたリヒター展が行われている東京国立近代美術館のMOMAT展で久しぶりに再会した。多分、前回見たのは、8年前の没後50年展だったと思う。マットな淡い青磁釉に含まれる気泡が「みぞれ」を思わせるようで、波山が霙(みぞれ)青磁と名付けたようだ。
昨日アップした石川県立工業高等学校(旧石川県工業高校)に板谷波山も1896年9月から在籍していたが、諏訪蘇山は1896年にやめるので、どうやら入れ違いだったようである。まあ、もしかしたら数か月重なっていたかもしれない..
今年は、板谷波山の生誕150 周年のようで、いろいろな美術館で板谷波山展が行われているようなので、興味がある方はお出かけください。
石川県立工業高等学校蔵、2022年8月9日(火)朝日新聞夕刊から
石川県立工業高等学校が所蔵する初代諏訪蘇山の「葡萄透し花瓶」である。高さ36.2cm、製作されたのは1907年から1909年の間で、現在、京都市京セラ美術館で行われている「綺羅めく京の明治美術-世界が驚いた帝室技芸員の神業」展に展示されている。
この花瓶と初めて出会ったのは20年位前である。日本建築学会大会が金沢で行われたとき、予約すれば、土曜日の午前中に板谷波山の作品が展示してある石川県立工業高等学校のギャラリーを見学できるとガイドブックで読んだので、ダメもとで連絡してみたら、当時の陶芸科の先生が対応してくださり、見学できたのである。ビング&グレンダールのファニーガルデやエフィーの作品に似ていると思い、出会ったときは衝撃的であった。初代諏訪蘇山といえば、青磁が有名であるが、私にとっての諏訪蘇山といえば、この花瓶である。
実は、これよりももっと大きい「葡萄透彫彩色花瓶」が、現在、石川県立歴史博物館で行われている「工芸教育の精華 納富介次郎とデザインの思想」展で展示されている。県内にある私設美術館が所有しているもので、形は「葡萄透し花瓶」と同じだが、高さが64.5㎝もある。
すごい迫力だろうな..見てみたいな..しかし遠いな..でも、見てみたいな..
おそらく、20世紀前半から中頃、ドイツ辺りで作られた人魚姫のフィギャリンである。有名なコペンハーゲン市内にあるブロンズ像をモデルに作られたと思われるが、向きは逆である。
ロイヤルコペンハーゲンにもこのブロンズ像をモデルとした人魚姫のフィギャリンはいくつかあるが、これは、どれよりも顔が良くできているし、釉下彩の色も淡く良く発色している。
そういえば、先日の錦光山宗兵衛のオオカミですが、やはり、イヌとしてアップしました。http://home.h00.itscom.net/shiokawa/kinkozan_dog.html
正面から
上から
青磁釉桃置物である。20年くらい前に結晶釉などの窯変釉に興味を持ち始めたときに購入した。実は、当時、勉強不足で青磁はすべて還元焼成と思い込んでいた。日本のどこかで作られたものだと思うが、おそらく清朝写しだと思われる。確か河井寛次郎が陶磁器試験所時代に似たようなものを製作している。釉薬がとぎれているところが、虫食いのようで面白い。これも時間があるとき、HPにアップしたいと思う。
伊東翠壺の柿浮彫文花瓶である。おそらく戦前のものと思われるが定かではない。深川製磁に同じようなものがある。ひとつ持っているのだが、だいぶ前に購入したものなので、どこに仕舞ったのかわからなく、一緒に撮りたかったのであるが断念した。ちなみに深川製磁のものは、青磁釉ではなく透明釉で、柿の実も上絵で赤く塗ってある。どちらが先に制作したのであろうか..
7代錦光山宗兵衛のおそらく狼のフィギャリンである。京都から出てきたので、おそらく時代は1910年頃に試作されたものと思われる。カイに似ているかなと思ったが、イヌではなく、オオカミだと思う。尻尾の形からキツネも考えられる。
錦光山の磁器の釉下彩における動物のフィギャリンはネコ2匹に続いて、3個目であるが、なかなか珍しいものだと思う。おそらく、ロイヤル・コペンハーゲンに影響されて制作されたものと思われるが、白い眠り猫と同じく、耳に赤紫系の色を使用している。
最近、写真を取っても、HPにアップする暇がないので、とりあえず、ブログにアップしておく。
九谷焼は石野竜山の「雉と松文花瓶」である。もしかしたら、石野竜山の弟子の作品かもしれない。石野竜山の赤はイングレイズ技法で描かれる。この雉のバックに描かれている太陽の赤もイングレイズである。石野竜山の赤を手に入れたいなと思っていたが、なかなか購入する機会がなく、やっと手に入れた。他の色は、すべて上絵(彩釉)で彩色されている。やはり、イングレイズ技法の彩色は一色しかできないのかな。まあ、どうやって彩色したのかじっくり調べてからHPにアップしたいと思う。
久しぶりに三井記念美術館へ「絵のある陶磁器 仁清・乾山・永楽と東洋陶磁」展を見に行きました。実は昨年の9月から改修のため休館していたので、リニューアルオープンの第1弾です。私はお茶はやりませんが、仁清や乾山の釉下彩陶器をじっくり見ることができました。最後の方に出てきた中国陶磁器も良かったですね。やはり、三井はすごいな....とても、勉強になりました。
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