昨日、金曜日は西洋美術館が20時までやっていましたので、ヴィルヘルム・ハンマースホイ展を見に行きました。まあ、だいたい思っていた通りでした。
アップした絵「4枚の銅版画のある室内、ストランゲーゼ30番地」のように、18世紀のロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドは、パンチボールのほかに、大皿そして珈琲ポットを描いていました。が、先日アップした「背を向けた若い女性のいる室内」で抱えている大皿は陶磁器ではないかもしれません。他に、金属製の大皿が描かれたものもありましたので。実物を見ても、どちらか判りませんでした。また、ロイヤルコペンハーゲンの釉下彩らしき花瓶や、ホルメゴーらしきガラスの花瓶を描いているものもありました。
あと、ハンマースホイが描いた18世紀ロイヤルコペンハーゲンのパンチボールそのものの写真と、ロイヤルコペンハーゲンが225周年のときに製作したパンチボールが展示されていました。その写真のパンチボールの補修部分が、わたしがデンマークのコレクター宅で見たパンチボールのものとそっくりで、思わず同じものかと思ってしまいました。
ついでにフェルメール展も見てきましたが、展示照明が明るすぎて、あまり感動しませんでした。
昨日、紹介したヨハネス・フェルメール(1632−1675)の「手紙を読む女」である。この絵は、「ドレスデン国立絵画館」が所蔵している。手前に果物を入れている芙蓉手の大皿が描かれている。
ご覧のように、昨日のヴィルヘルム・ハンマースホイとは構図も空間の遠近感も異なる。ただ、両者の写実には、画面に描かれている空間から漂ってくる独特な静寂さがあり、これが非常に似ている。この静寂さは、やはり、現在、渋谷にある東急文化村のミュージアムで行われているアンドリュー・ワイエスの絵にも感じることが出来る。ただし、ワイエスの場合、外の風景が多く、また、アメリカなので、フェルメールやハンマースホイのようなヨーロッパ的な暗さはなく、明るい。
まあ、「ぜんぜんそんな静寂さは感じません。」と言われてしまえば、仕方がない。が、私は非常に感じ、それゆえに、両者の絵は非常に似ていると思うのである。
さて、昨日、私が言いたかったのは、この静寂さではない。
フェルメールが、芙蓉手の大皿を画面に描いたように、ハンマースホイもブルーフルーテッドのパンチボールと大皿(おそらく)を描いたのではないかということである。
逆にいえば、なぜ、ハンマースホイは、ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドを描いたのか。それも18世紀のブルーフルーテッドを。この作品は、1904年に制作されているので、当時、すでに1900年のパリ万国博覧会でグランプリを獲得したロイヤルコペンハーゲンの釉下彩の大壺でもよかったはずだ。また、同じく1900年のパリ万国博覧会で好評を得たビング&グレンダールのエフィーのグロテスクな大花瓶でもいいではないか。あるいは、19世紀末にアーノルドクローが再生産したブルーフルーテッドのパンチボールでも良かったのではないか。
でも、やはり、このアールヌーヴォー全盛期の時代でも、デンマークの生活空間に誇りを持って飾れる陶磁器は、染付けのロイヤルコペンハーゲン製ブルーフルーテッドであり、そして、それは18世紀のものでなければ、いけなかったのであろう。
こういう観点から見ると、フェルメールが描いた芙蓉手の大皿も中国製ではなく、デレフトではないかという気がする。でも、専門家は描かれた皿の薄さや光沢、表現されている質感から、中国の染付け磁器と鑑定している。おそらく、陶器ではなく磁器だということで、中国の青華だと判断しているのであろう。
わたしは、計算高いフェルメールであるから、デレフトと考えてもよいと思うのであるが、当時のオランダは東インド会社を通して、経済的に世界を支配していたことを考えれば、中国の青華でもいいような気もする。
まあ、どうでもいいことですね。
現在、上野の西洋美術館で、ヴィルヘルム・ハンマースホイ展をやっている。12月7日(日)までである。ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864-1916)は、デンマークの有名な画家である。
で、なぜブログにアップしたかというと、新聞の広告で、この「背を向けた若い女性のいる室内」を見たとき、左側に描かれている蓋付陶磁器は18世紀のロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドだと思ったからである。
デンマークに住んでいたとき、18世紀のロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドを集めているコレクターの家に遊びに行ったが、その彼の家にやはり同じものがあった。彼は、これをパンチボールと呼んでいた。
部屋が広いので絵では小さく見えるが、実物は結構大きい。
そして、女性が大皿みたいなものを持っている。実は、このパンチボールには、下に受けとなるお皿がセットである。ちょうど、サイズからして、パンチボールの受け皿だと思うのだが、写真ではよくわからない。本物を見ても、わからないかな...。
このハンマースホイの写実的な絵は、現在やはり上野の東京都美術館で行われているフェルメールに似ているが、フェルメールも一枚、中国の芙蓉手の大皿をさりげなく描いている。もちろん、ちゃんと女性も描いている。
ということで、ハンマースホイは、かなりフェルメールを意識してこの絵を描いたのではないかと思うのであるが、いかがであろう。
昨晩、フラメンコを見てきました。新宿の伊勢丹会館6Fにあるエルフラメンコというお店です。
それも一番前のかぶりつきで。
フラメンコを見るのは、20年ぶりですね。それも、日本ではおそらく初めてです。20年前は、スペインのセビリアとマドリッドで見ました。今まで、本場スペインには敵わないだろうと、日本では見に行く気になれなかったのですが、考えを改めます。良かったです。
まあ、よく考えてみれば、わざわざ現地から呼ぶのですから、それなりの実力がなければね。
踊りもよかったですが、歌もギターもうまかったです。
何といっても、エネルギッシュでダイナミックなリズムがすごい。
ビデオやCDなどで見たり聴いたりしていましたが、やはり、生で見なければ、だめですね。
お勧めです。
ギターのひとりが、アントニオ・サンチェスと言う名前で、どこかで聞いた名前だなとずっと考えていたのですが、クラシックギターのメイカーでした。
牛込獅子舞を見ていたときに、隣で三脚を立てて、大きなビデオカメラで撮影していた人がいました。テレビ神奈川かケーブルテレビの人かなと思っていましたら、カメラにNPOと書いてありましたので、休憩時間に思い切って話しかけました。
全国に官より指定選択された約8000件の無形民俗文化財をビデオ撮影して、アーカイブとして保存しているそうです。それも一人で。
なかなか一緒にやってくれる人がいないそうです。また、ご本人も別に仕事があるので、なかなか作業がはかどらないとのこと。大変ですね。しかし、こういう人がいないと、なかなかこういう記録は残らないのでしょうね。頭が下がります。
その方の話によると、このような民俗芸能は埼玉県が一番多いそうです。意外でした。
webサイトによると、まだ、撮影していない民俗芸能の映像も募集しているようです。
私もいくつかあるのですが、なかなかDVDに落とす時間が無くて...
www.npopia.com
牛込獅子舞の動画をアップしました。一人立ち三頭獅子舞なので普通は立って踊りますが、休憩を挟んだ後は立て膝状態から踊りを始めます。
昨日は、近くの驚神社で牛込獅子舞がありました。牛込獅子舞は横浜市指定無形民俗文化財になっております。東北、関東、信越地方に分布する一人立ち三頭獅子舞です。18世紀中ごろから牛込地区へ伝えられたとされているようです。
昨日は、次男の友達が獅子の踊り子としてデビューしました。役につくものは牛込で生まれた成年までの男子に限られて、獅子役の3人と弊追いは長男の役とされているようです。
このような芸能は、少子高齢化などの影響で、廃絶の危機に見舞われているところもあるようです。いつまでも続いてもらいたいものです。
10月13日に立川にある昭和記念公園でガムランの演奏があります。わたしも2曲ほど演奏します。お時間がある方は是非見に来て下さい。この時期の昭和記念公園はコスモスが満開です。
-----------------------------------------------------------------
[ 音工場Omori バリ島のガムランと舞踊のコンサート ] の御案内
Penampilan Gamelan Bali 2008
日時:2008年10月13日(月・祝)
12:15〜Balaganjurスタート(15:00頃まで)
場所:国営昭和記念公園
みんなの原っぱ東花畑(コスモス畑)東側芝生地
JR青梅線西立川駅下車 西立川口より入園 徒歩10分
*雨天時はレインボープール大屋根下にて開催
出演:バリ・ガムラン講座生、バリ舞踊講座生、講師
主催:音工場Omori
共催:国土交通省国営昭和記念公園事務所
財団法人公園緑地管理財団 昭和管理センター
後援:駐日インドネシア共和国大使館
料金:無料(但し大人400円 こども80円の入園料が必要です)
先日、コメントで、Geislerコレクションにアップしたロイヤルコペンハーゲンのトレイに対して、minaさんからご指摘を受けました。
果たして、このトレイに付いている昆虫は蝉なのか蛾なのか。minaさんは蛾だと思っていたそうです。私は蝉だと思っていました。
そこで、Geislerさんにメールで尋ねましたら、判らないので、アップで撮った写真を何枚か送るので、判断してくれとのこと。
さて、どちらでしょうね?一様、HPでは、いままで蝉として載せましたが、どちらかであるということで訂正しておきます。なお、詳細写真は、あと3枚送られてきましたので、こちらもHPの方にアップしておきます。
Geisler Collection
昨晩、浜松町は文化放送メディアプラスホールへジョゲッ・ピンギタンを見てきました。よかったですよ!! 一番前でかぶりつき。実はこのグループ、先週まで関西を中心に回っていて、「島根の熊野大社で演奏したのが、とても印象深かった。」と団長が話していました。それはそうでしょう。行きたかったけど、ちょっと遠いかな。でも、懲りずに今日も行きます。
で、話は変って、一昨日行った「帝室技芸員と一九〇〇年パリ万国博覧会」の報告。
何といっても、1900年のパリ万博ですからね。アールヌーヴォー全盛。これは見に行かなければ。午前中に行った「明治の七宝」でも出品されていた並河靖之と、なみ川惣介の作品もありました。いずれもすばらしい。さすが、パリ万博に出品されただけのことはあります。並河靖之さんの作品は、カタログやチラシの表紙になっています。でも、なみ川惣介の無線七宝もすごいですよ。陶磁器は真葛香山、清風与平などがありました。
この展覧会は、12月までやってますが、4期に分かれて、すでに1期は終了、2期も9月末までです。各期間は展示作品が入れ替わります。会場が狭いですからね。でも無料ですから。いいですよ。お勧めです。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ