16日早朝の東京外国為替市場で、円相場は下落しています。8時30分時点は「1ドル=144円49〜53銭」と前週末17時時点と比べて70銭の円安・ドル高でした。
中東情勢の悪化を受け、流動性の高いドルを買う動きが優勢となっています。主要通貨に対して積み上がったドルの売り持ち高を手じまう動きも出やすく、円売り・ドル買いが先行しています。
15日、イスラエル軍は自国から2300キロメートル離れたイラン東部の主要都市マシュハドの空港を攻撃しました。作戦開始以来、最も遠い距離の標的への攻撃だと主張しており、攻撃対象が全土に広がりつつあります。一方、イランは15日、これまで夜間に限定していた軍事作戦を日中にも実施するなど、双方で攻撃の応酬が激しくなっています。地政学リスクの高まりを背景に「有事のドル買い」が入りました。
前週末のニューヨーク債券市場では、原油高を背景にインフレ懸念が意識され、米国債が売られています。米長期金利の上昇で日米金利差の拡大観測が意識されているのも円売り・ドル買いを促しました。