12日の東京外国為替市場で、円相場は5日ぶりに反発でした。17時時点では前日の同時点に比べ1円23銭の円高・ドル安の「1ドル=143円89〜90銭」で推移しています。
米物価指標の下振れを受けて米長期金利が低下し、日米の金利差縮小が意識されました。米関税政策を巡る不透明感もあるなかで主要通貨に対してドル売りが優勢となり、円相場を押し上げています。
円相場は「1ドル=143円65銭」近辺まで上げ幅を広げる場面がありました。
11日発表されました5月の米消費者物価指数(CPI)は総合指数や食品・エネルギーを除いたコア指数で前月比の伸び率が市場予想を下回りました。米連邦準備理事会(FRB)の利下げを後押しするとの受け止めから米長期金利が低下し、円買い・ドル売りを誘っています。
<トランプ米政権>の関税政策を巡る不透明感もドル売りを促しました。<トランプ米大統領>は11日、1〜2週間以内に貿易相手国に合意条件を示した手紙を送ると明らかにしています。7月9日が期限となる相互関税の猶予期間の延長については、用意があるとしつつも「必要性を感じていない」などと語り、一方的に関税率を設定する意向を示しました。
11日、米CBSテレビは米当局者がイスラエルからイランへの軍事作戦を実行する準備が整ったと報告を受けたと報じています。米政府が中東地域に駐留する政府職員や米兵家族を退避させ始めたとも伝え、中東情勢の緊迫が警戒されています。
12日の日経平均株価も一時300円あまり下落し、投資家心理の悪化とともに「低リスク通貨」とされる円には買いが向かいやすかくなりました。