27日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は続落して始まりました。中国企業が開発した生成人工知能(AI)の台頭で、米国のAI産業が競争激化の影響を受けるとの懸念が広がりました。関連銘柄が軒並み売られ、相場を押し下げています。
中国のAI開発企業、DeepSeek(ディープシーク)が開発した低コストの高性能AIによって米ハイテク企業の優位が揺らぎかねないとの警戒が広がっています。27日にはディープシークが開発したAIアプリのダウンロード数が米国のアプリストアで米国の競合相手を一時上回ったとも伝わりました。
米国では前週に<トランプ米大統領>がオープンAIやソフトバンクグループなどが米国のAI開発で5000億ドル投資すると発表し、関連銘柄への買いが広がっていました。市場では、中国の新たな競合相手の出現が、AI関連銘柄に対するセンチメントに激しい急変を引き起こしていると受け止められ、競争激化への懸念から売りがかさんでいます。
半導体関連への売りが目立ち、エヌビディアは16%下げています。ダウ平均の構成銘柄でありませんが、ブロードコムやマイクロン・テクノロジーも大幅に下げています。AIに巨額を投資してきたハイテク大手も軒並み売られています。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムのほか、ダウ平均株価の構成銘柄以外ではメタプラットフォームズやアルファベットが安くなっています。
ダウ平均株価は、前日比289ドル33セント(0.65%)高の4万4713ドル58セントで終えています。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価は、前日比612.47ポイント(3.07%)安の1万9341.83で終えています。
S&P500種株価指数は、前日比88.96ポイント (1.46%)安の6012.28で終えています。