赤い缶で知られる「サクマ式ドロップス」を販売する【佐久間製菓】(東京都豊島区)が2023年1月20日で114年の歴史に幕を下ろし廃業します。コロナ禍での需要減に加え、安価製品であることから原材料費やエネルギー価格の高騰を価格転嫁できず、今回の廃業に至ったといいます。
【佐久間製菓】は明治41年(1908年)創業。看板商品である「サクマ式ドロップス」は、創業者である<佐久間惣治郎>により初の国産ドロップとして誕生しました。スタジオジブリのアニメ映画『火垂るの墓』(1988年・監督:高畑勲 )では、駅員が放り投げる空き缶として登場することでも知られています。
映画は<野坂昭如>の小説『火垂るの墓』を原作として、太平洋戦争末期、神戸大空襲で家族と家をなくした14歳の「清太」と4歳の「節子」の兄妹が、肩を寄せ合いながら懸命に生きた物語です。妹の「節子」が食べたいものを聞かれて「ドロップ」と答え、衰弱して混濁する意識の中でドロップの代わりにおはじきをなめます。ささやかな願いすらかなえられない戦争の悲惨さの象徴でした。飢えて死んだ「節子」の骨が入れられたのもドロップ缶で、胸が詰まる場面でした。
同社によりますと、商品の最終出荷日は12月19日。廃業後も法人格はしばらく存続し、事後処理にあたるといいます。
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