7日、スウェーデン・アカデミーは今年のノーベル文学賞をタンザニア出身の作家、<アブドゥルラザク・グルナ>さんに授与すると発表しています。
授賞理由として「植民地主義の影響や難民の運命に関する、妥協なく思いやりにあふれた洞察」を挙げています。アフリカ出身者の文学賞受賞は、2003年の<J・M・クッツェー>さん(南アフリカ)以来の受賞です。
<アブドゥルラザク・グルナ>さんは1948年生まれ。インド洋のザンジバル島で育ち、1960年代末に難民として英国に渡っています。21歳の時に亡命者の立場で執筆活動を始め、母国語のスワヒリ語ではなく英語を用いています。これまで10冊の小説を出版し、多数の短編小説を発表。各作品の底流にあるのは、難民の混乱というテーマです。
植民地時代以前のアフリカへのノスタルジーからは距離を置く作風。近年まで英国のケント大学で英語とポストコロニアル(植民地以後)文学の教授を務め、ナイジェリアの詩人で1986年にアフリカ人として初めてノーベル文学賞を受けた<ウォーレ・ショインカ>さんや、同賞の有力候補とされるケニアの作家<グギ・ワ・ジオンゴ>さんらの文学を研究しています。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ