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- 今年の読書(72)『この世の春(下)』宮部みゆき(新潮文庫)
<宮部みゆき>の作家生活30周年記念作品 『この世の春(上)』 ・ 『この世の春(中)』 に続く、いよいよ最終巻の『この世の春(下)』です。
元藩主「重興」の病状が、幼少のころの父とそのそばめの女と関係があると考えた藩医「白田」たちはその時代を知る江戸下屋敷の責任者であった「岩井一之助」と「重興」の母「美福院」の話を聞きに江戸へと出向き、また「多紀」は、「重興」がいまだ思い続けている離縁した妻「由衣」を訪ねます。
「岩井」から「明野領」にまつわる覚書書である〈蔓署〉にまつわる話を聞き出し、女狭間「桐葉」とその父「九蛇=五郎助」の関係が判明、行方不明の男の子たちの意味合いも解き明かされ、「重興」の心の呪縛も解け、「重興」と「多紀」は夫婦になり物語は終わります。
読み手側としては、終盤に近づきほぼ結末が読める展開が進むなか、なぜか、「重興」と「多紀」の関係が唐突感があり、なじめませんでした。流れ的に「多紀」は熱血漢溢れる従兄の「田島十郎」と縁づくものと推測していたのは私だけでしょうか。
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