<タカイアキフミ>『なにもない劇場』@下北沢・駅前劇場
6月
18日
個人ユニット「TAAC」(たーく)は、<タカイアキフミ>が主宰・作・演出を務めています。「妥協なく創造・共創する集団」として2018年に大阪で立ち上げ、同年4月に第1弾公演『正義姦』では関西小劇場としては異例の2週間のロングラン、9月に第2弾公演『を待ちながら。』では<七味まゆ味>(柿喰う客/七味の一味)と<山崎彬>(悪い芝居)の二人芝居を東京・大阪2都市で上演、2019年12月には、<三上市朗>が主演を務める舞台『だから、せめてもの、愛。』を下北沢・「劇」小劇場で上演しています。
そんなユニットが、新型コロナウイルス感染防止のため6月公演『世界が消えないように』の延期を5月14日に発表。今回の試みについて主宰の<タカイアキフミ>は「劇場の価値を見つめ直すきっかけとなり、演劇復活のきっかけとなるようなムーブメントに挑戦、「TAAC」が発表した『なにもない劇場』企画意図は次のように発表されています。
『役者はいない。台本もない。美術も、音響も、照明もない。開演時間も終演時間も決まっていない。あるのは50席の客席だけ。ここは、なにもない劇場。あなたのための場所。』
現在、さまざまな劇団がリモート配信などでの芝居など新たな形を模索している中で、「やっぱり劇場だ」「劇場でなにかやりたい」という思いが強くなった<タカイアキフミ>は、さらに新たな動きの1つとして、誰もやっていない本企画を提示したいといいます。
「劇場を、演劇を愛する人たちが集い、これまでとこれからを考える。感じる」という言葉からは、現状を受け入れ今後の演劇界と新たな道のりに葛藤しながらも、舞台と客席で直接交わされる役者と観客の熱いやり取りを愛する、演劇人の思いが伝わってきます。