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- 今年の読書(42)『京都北嵯峨シニガミ貸本屋』桔梗楓(双葉文庫)
いまどき「貸本屋」があるのかなと興味を引いた<桔梗楓>のタイトル『京都北嵯峨シニガミ貸本屋』(2020年5月17日刊)です。わたしが子供のの頃、生家に近い神戸市兵庫区下三条町にありました貸本屋「山田書店」さんには漫画本を含めてよくお世話になりました。いまだ古書店として営業されているのでしょうか、懐かしく思い出します。
本書の舞台となる「貸本屋」は、「生」の未練を斬る場所として存在し、自分の人生を書き表した本の一行だけを修正することが出来、思い残すことなく黄泉の国へt旅立つことが出来ます。
主人公の高校生の「穂波晶」は、東京から祖母の住む京都北嵯峨に夏休みを利用して訪れた際に、死人しか見えない貸本屋「宵道」になぜか迷い込みます。そこには、三途の川の番人と称する和服姿のイケメン店主「比良坂」と「シニガミ」という名の白い猫がいました。本棚には人の人生をつづった本が並んでいます。
「晶」は、「比良坂」や「シニガミ」と一緒になって、成仏できない亡者の悩みを見つけ出し、修正個所を手助けしていきます。
なぜ「晶」が、死者しか見えない貸本屋「宵道」に訪れることが出来たのかは、ネタばれになりますすので、割愛させていただきます。人生が二度あればということを感じさせてくれるハートフルファンタジードラマが楽しめた肩の張らない一冊でした。
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