神戸ご当地(956)「兵庫県林業会館」
8月
31日
ビルの延べ床面積は約1500平方メートル。1階は鉄筋コンクリート造りで2~5階にCLTを使う。老朽化した「兵庫県林業会館」を建て替えるため、県森林組合連合会などの県内4団体が約8億円を投じて今年3月に着工しています。
CLTは、複数の板を木の繊維方向が直交するように積み重ねて接着した建築材料。新ビルは重力を柱と梁の鉄骨で、横揺れは床と外壁のCLTでそれぞれ支えます。受注した共同企業体の竹中工務店(大阪市)が鉄骨とCLTをつなぐ技術を確立し実現しています。木造ビルの課題だった1室の広さも最大約200平方メートルを確保しています。理論上、15階以上のビルへの応用も可能という。
新ビルのCLTは縦3~6メートル、横2・2メートル、厚さ15~21センチで、計187枚を使用します。出荷期を迎えた県産のスギ、ヒノキの計4千本をCLTに加工しました。一般的な木造住宅の10戸分に相当する。節目が多い低質の木材も利用でき、担い手不足で管理が不十分な山林の木の有効活用が期待できます。
来年1月に完成する予定。建築現場では、鉄骨とCLTの組み立てが始まっています。