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- 今年の読書(109)『冬芽の人』大沢在昌(新潮文庫)
著者は、破天荒な刑事<鮫島>を主人とした、『新宿鮫』シリーズ が代表作ですが、本書では、元女性刑事<牧しずり>を主人公に据えています。
警視庁捜査一課に所属していた<しずり>は、強盗殺人事件の聞き込みに先輩刑事の<前田光介>とでむいたさきで、参考人の<村内>が<しずり>を襲い、かばった<前田>は、階段から落ちて、意識不明の重体のまま亡くなります。それを機に<しずり>は、警察を辞め、普通の事務員として6年間静かに過ごしていました。
<村内>は、自転車で逃走、トラックにはねられ死亡で、事件は未解決のままです。
<前田>の墓参りの際、<しずり>は、<前田>の先妻の息子<仲本岬人>と遭遇、トラック事故が偶然ではないことが分かり、事件は、思わぬ展開を見せていきます。
年下の<岬人>にひかれながら、事件の真実を求めるひたむきな行動に危ぶみながらも、真実に迫っていく過程は、著者らしい緊迫感がありました。
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