今年の読書(48)『モンスター』百田尚樹(幻冬舎文庫)
4月
19日
<鈴原>は、子供のころから畸形的までに醜い顔で、周囲からバケモノ扱いされ続け、心を寄せていた初恋の相手<高木英介>にも裏切られ、事件を起こして追われるように東京の短大に入学しますが、家族とは縁を切られてしまいます。
面接を受けてもことごとく落とされ町の工場に勤めますが、目の二重の手術を行ったことにより整形手術の魅力に取りつかれ、費用を稼ぐためにSMクラブに勤め出し、やがてホテトル嬢からソープランドへと転身、莫大な費用をかけて完璧な美人に変身していきます。
男の美貌に対する痛烈な批判を込めながら、女の微妙な心理を絡め、昔足蹴にされた男たちを手玉を取るように扱う<鈴原>の行動は理解できますが、哀れさも感じてしまいました。