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- 『京都嵯峨野 京料理の殺意』柏木圭一(講談社文庫)
料理写真家<星井裕>を主人公とするシリーズも、2008年8月に刊行された第一作目の 『京都 大文字送り火 恩讐の殺意』 に始まり、本書で10作目になります。
秋の行楽シーズンの京都に<星井>は、助手の<小林健>といつも通り『ルネッサンスジャパン』の料亭特集の取材に東京から出向いてきますが、途中ですれ違った女性が直後に京阪電車に撥ねられて死亡してしまいます。
死亡したのはフードライターの<松木洋子>で、関東の料理業界から土俵の違う関西に移り、あまり料理業界では評判が良くありませんでした。そんな中、グルメガイドブック『アンジェロイド』を発行する会社の重役が、自動車事故で亡くなる事故が起こります。
今回も<星井>は、京都府警洛東署に勤務する別れた妻<安西美雪>の捜査に協力しながら、一連の事件の解明に乗り出します。
京都生まれの著者らしく、『ミシュラン』のような星の格付けに対して、「京都の店をかくづけするなんて、とんでもないこと」と批判されていますが、素材から調理、客の接待に至るまで、奥の深い京料理の世界だけに、簡単にランクづけしてほしくない」と言う気持ちは、よくわかります。
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