B級グルメ派で、なおかつ立ち呑み派のわたしとして、本書を手にするなり第一行目の文章に感動を覚えました。
<酒場は立ち呑みに始まり、立ち呑みに終わる、というのが私の哲学である>に始まる文章を目にした瞬間、そくレジに向かいました。
『呑み道楽』の章では、粋な酒場のお店が並び、『酒を愛する男たち』では、日本酒造りに日々邁進する杜氏や経営者、『美食紀行』では、愛すべき料理の数々が垂涎のごとく並べられています。
なんといっても圧巻なのが『麺類礼賛』で、「讃岐うどん」の緻密なレポートに感動、自らも東京に<東京麺通団>なるお店を仲間と出店するまでの入れ込みようが、詳細に語られていました。
『にっぽん蔵々紀行』(光文社文庫)の著者だけに、日本酒の薀蓄と料理の表現は読みながらにして味わい深い体験ができ、楽しめる一冊でした。
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