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今年の読書(54)『お台場アイランドベイビー』伊与原新(角川文庫)

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今年の読書(54)『お台場アイ...
本書は東京湾北部、埋立地の「お台場」と呼ばれる島を中心とする臨海副都心部が直下型の地震を受け、東京は絶滅的な打撃を受けてから4年後が舞台となっています。

ある日、元刑事の<巽丑寅>は、黒人の少年<丈太>と出会い、震災直後に姿を消していた無国籍と呼ばれる子供たちが、急に街で見かける機会が多くなったことに興味を持ち、元上司である少年課担当の<鴻池みどり>に話しを持ちかけます。

その頃の東京は、若くして都知事になった<岩佐紘一郎>が復興という名目で、なぜか「お台場」を完全に封鎖し、軍隊まがいの「国土復興協力隊員」を創設、都民が立ち入らないように監視下に置いていました。

震災後に生まれた貧富の差のある生活環境と、不法滞在者の子供として無国籍な子供たちの立場を縦軸に、殺人事件を追う<みどり>の捜査を横軸として、また<岩佐>を取り巻く政治的陰謀とが絡み合い始めます。

文庫本549ページと少し厚めでしたが、第30回横溝正史ミステリー大賞受賞作として、弱者に対する社会問題を考えさせられると共に、近未来小説として楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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birdy
birdyさんからコメント
投稿日 2014-04-23 09:54

へぇ~、面白そう。
ついついキャスティングを考えてしまいます。

元刑事は定年じゃなく訳ありで退職?

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ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2014-04-23 22:03

元刑事の<巽>は、9歳の男の子を失くしたことが原因で離婚・離職したという過去を持つだけに、孤児の<丈太>に自分の子供の面影を重ねているという感じです。
これはテレビドラマよりも、映画化がいいかな。

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