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今年の読書(17)『その妻』明野照葉(中公文庫)

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今年の読書(17)『その妻』明...
前回の 『契約』(光文社文庫) のときにも書きましたが、明野照葉さんの小説に共通するのは、<「女」の執念・怨念・すさまじさ>です。
今回の『その妻』は、『契約』以降4冊目に出版された最新作(文庫書き下ろし)です。

女性の心理描写を下地に、明野ワールドとでもいいましょうか、独特の盛り上がり方で、今回も「ドクッ」という味わいで楽しめました。

高校生の同級生として付き合い、結婚して13年経つ36歳の<聡乃>は、運送会社に勤めながら、職種を替える甲斐性のないく融也>と子供も作らずに暮らしています。
突然<融也>から、以前勤めていたデザイン事務所のオーナー<モナミ>46歳が悪性リンパ種の病気で余命は一年だと聞かされ、介護のために家を出て面倒を見させてくれと言われます。
高校のときから、お互いパートナーとして信頼関係があると信じ、仕方なしに認める<聡乃>ですが、病気ではなくどうやら<融也>の子を妊娠していると「女の感」で突きとめてゆきます。
この世に子供はいらないと言い続けてきた<融也>ですので、<聡乃>自身で後始末をつけようとしますが、思わぬ結末を迎えることになります。

なぜか怖いもの見たさに読みたくさせる明野ワールド、この一冊も期待に答えてくれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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birdy
birdyさんからコメント
投稿日 2013-02-07 22:28

結末、どうなるんでしょう!

ワオ!と言っているユーザー

ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2013-02-08 07:45

うう~、それは秘密です。 (笑)
最後は、<聡乃>が妊娠中の<モナミ>を包丁で殺そうとするのですが、その時に<聡乃>の行動を不審に感じた夫の<融也>が飛び込んできて、止めさせようとする動作の中で<モナミ>の腹部を包丁で刺してしまうところで終わります。
いつもながらの明野ワールド、女の執念で終わります。

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