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今年の読書(5)『紅梅』津村節子(文藝春秋)

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今年の読書(5)『紅梅』津村節...
            < カバー絵:円山応挙「老梅図」(京都・東本願寺蔵) >

作家自らが、自分の闘病生活を書き残した著作は多くありますが、夫婦そろって著名な作家でもあり、また<吉村昭>の妻としての目から冷静にかつ力強く描かれた作品として心に残りました。

学習院時代の文芸部員として知りあい結婚した二人ですが、大学時代から少女小説を手がけ、当時の十代層には人気がある著者でしたが、夫とともに丹羽文雄が主宰する同人誌『文学者』にて、文筆活動を始められています。

2005年2月、<吉村>に舌癌が発見され、療養の途中でのPET検査で膵臓癌が発見され、全摘出手術を受けています。
抗がん剤や免疫療法を試みながらの闘病生活を、長年連れ添ってきた妻である立場から、死に至る2006年7月31日までの心の動きを坦々と綴りながらの構成は見事というしかありません。

題名の『紅梅』は、東京都三鷹市にある離れの書斎の前に植えられている梅の木から取られたようで、舌癌を発病した時期と重ね合わせ、さりげない表現で文中に登場しています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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birdy
birdyさんからコメント
投稿日 2013-01-13 22:09

カバー、いいですね。
気品があります、さすが。
凜として夫をみおくった妻の姿にピッタリなきがしました。

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ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2013-01-14 07:24

夫婦不随の長い人生を、「老梅図」が象徴しているようで、まさにタイトルにぴったりのイメージだとわたしも感じました。
自らカテテールを外し、自然死を求めた最後の姿は、胸詰まる山場でした。

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KUMA
KUMAさんからコメント
投稿日 2013-01-14 09:15

吉村昭氏のかなりのファンです、徹底的な資料収集、精緻な考証などITの設計と相通じる部分があり、いたく感動しています。
奥様の津村節子さんの著書はまったく未読です。
今日、調べて吉村先生は芥川賞が未受賞なのに気が付きました、どうでも良いことですが・・・

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ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2013-01-14 18:25

作品を書くにあたり、現地調査は緻密にされていたようですね。
記憶が薄絵rていますが、たしか太宰治賞を受賞し、そのあとの『戦艦大和』で一気に有名になられたと思います。
受賞歴も大事でしょうが、芸術院会員まで勤められた力量で、ファンとしてはいいのではないでしょうか・・・。

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