今年の読書(73)『タングル』真山仁(小学館文庫)
12月
28日
『ハゲタカ』シリーズの著者として知られる<真山仁>は、地熱発電開発の奮闘を描いた『マグマ』、続編『ブレイク』 、日本の宇宙開発の問題点に切り込んだ『売国』、民主主義の是非を問う『プリンス』など、緻密な取材をもとに織り込まれた社会問題の提起と、揺るぎないメッセージを込めた作品を多く執筆しています。
本書『タングル』は、シンガポールを舞台に日星の共同プロジェクトとして光量子コンピューター開発について描かれた作品です。
『タングル』の舞台は、優れた研究者・技術者を有しながらも、政治的しがらみなどから、次世代の研究に満足な資金を投下できずにいる日本と、海外ファンド含め潤沢な資金を集めながら、人材不足などから、時間を要する開発・製造をなかなか自国内に育てられずにいたシンガポール。両国の共同プロジェクトで量子コンピューターを開発するという設定から、後半に次から次に巻き起こる国益と政治がらみの展開までフィクションの小説であることを忘れさせる内容で、最後まで一気に読み下しました。









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