今年の読書(34)『思い出のとき修理します』谷瑞恵(集英社文庫)
3月
14日
当時は賑やかだった商店街も、今はシャッター通になり人の通りもなくさびれています。
おばあちゃんと同じ美容師として働いてきた<明里>も28歳になり、失恋の痛手から逃げ出そうとして、偶然にもおばあちゃんの家が貸家に出ているのを知り、引っ越してきます。
斜め向かいには時計店があり、同い年の<飯田秀司(シュウ)>が独立時計師を目指し、元はおじいちゃんのお店だったのを引き継いでいました。
お店の看板には<思い出の時 修理します>とあり、時計の「計」がなぜか抜けているのですが、そのままにしている<シュウ>です。
時間を遡る物語は、『タイムトンネル』や『バックトゥーザフィチャー』などがありますが、<過去は変えられない。でも、修復することはできる>という物語が、連作短篇形式でまとめられています。
もしもあのとき、と考えることは多々あるとおもいますが、その連続の上に今の自分があり時間が流れているのだと分かる、心を癒してくれるくれる一冊でした。
投稿日 2013-03-14 22:57
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投稿日 2013-03-15 16:38
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投稿日 2013-03-15 10:30
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投稿日 2013-03-15 19:46
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