《襍・/・画  〝冬景(26)〟  ❖ ’23-134 ❖》

イトラッキョウ(糸辣韮、糸辣韭、糸薤) ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)
学名:Allium virgunculae var. virgunculae
※ 以上の画像、全て借り物。※
《 備忘録(12月に観たい〝野生花7〟)!?! 》
イトラッキョウは、日本固有種で長崎県の平戸島にのみ自生している。
イトラッキョウは、秋に細い花茎の先に赤紫色の花を咲かせる。
花弁は6枚で上向きまたは斜め下向きに咲く。花の直径は約1cm。
岩場や岩棚に生える耐寒性の植物で日当たりのよい場所を好む。
食用として若い葉は、ネギやニラのように食べることができる。
イトラッキョウは、希少種で環境省の絶滅危惧ⅠA類に指定されている。
白花もある由、オトメラッキョウ(Allium virgunculae f. albiflorum)と云う。
かつて、イトラッキョウの花を「夢見るような雰囲気の花」と紹介した方がおられた。
イトラッキョウと同時期、平戸ではチョウセンノギクやシマシャジンも観られる由。
*      *      *
未だ自生種は見ていない日本固有種だが、園芸店に売っている!!
ごく限られた場所に自生している花を拝みたい。記録しておく。
園芸栽培種??は、以前、大船植物園で観た事あったが。。。
 
「令和伍年(皇紀2683年)12月21日、記」
 
 
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《襍・/・画  〝冬景(25)〟  ❖ ’23-133 ❖》

ヤッコソウ(奴草)   ヤッコソウ科 (Mitrastemonaceae)
学名:Balanophora japonica
図解。

※上 2画像は借り物m(_ _)m。※
《 備忘録(12月に観たい〝野生花6〟)!?! 》
徳島県が分布の北限になるヤッコソウも変わった植物として知られている。
種子を作る植物は緑色の葉を以って光合成を行い必要な養分を自分で作る。
このヤッコソウは、全体が白く葉を持たない。自分では養分を作れない。
別の植物に寄り添い養分を摂取している。まさに寄生植物である。
ヤッコソウは、シイノキ属の植物の根にのみ寄生するという。
晩秋から初冬にかけて 「やっこ 」に似た白い花を付ける。
其の容姿から花名が付けられた由。希少で、国や県の天然記念物でもある。
ヤッコソウには、帽子がある。その帽子は、雄蕊が筒状になったもの。
帽子の側面には、花粉がつまった葯が帯のような状態(葯帯)を持つ。
花は初め雄蕊の帽子を被っているが、徐々にそれが剥がれ雌蕊が顔を出す。
花には、沢山の甘い蜜を花の下側の鱗片葉の付け根に蜜を溜めている構造。
溜まった蜜を求めて小動物や虫が蜜を吸い、入れた頭に雄蕊の帽子が触れる。
花粉が付き別の花に移り蜜を吸う時、むき出しの雌蕊に体が触れ受粉する。
ヤッコソウは、初冬まで花を見せる。3㎝程度の高さで地表面に群がって生える。
面白いのは、雄蕊と雌蕊の動き。初め雄蕊の花糸・葯の合着し帽子状に。
そして雌蕊の柱頭と子房を上から覆い、粘液状花粉が葯から分泌される。
次に雌性期に移行、花粉が出なくなり雄蕊が抜け落ち柱頭が露出し受粉。
蜜は燐片葉上部付根に分泌され、蜜を摂食した昆虫や鳥類が花粉を運ぶ。
受粉が完了した個体は、柱頭が黒褐色に変色する。
合着した花被片に保護された子房内部に多数の微小な種子が作られる。
熟すると液果状になり、そのまま冬越しをする。
11月に開花し、12月に入ると殆の個体が受粉を終えて柱頭が黒くなる。
開花時期のばらつきが一ヶ月程度あり12月でも開花がみられる。
万歳姿のヤッコソウは、高知県で発見され、牧野富太郎博士が命名した。
徳島、高知、宮崎、鹿児島から沖縄までに分布。シイ属の根に寄生する。
栄養体は根の中で生活し、11月頃に花だけが外に出てユニークな形をとる。
*      *      *
未だ見ていない野生種だが、ツチトリモチ同様の寄生植物。
遠き南方方面に多い花々、出向くのが大変。記録しておく^^)。
 
「令和伍年(皇紀2683年)12月19日、記」
 
 
 
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ワオ!と言っているユーザー

《襍・/・画  〝冬景(23+1)〟  ❖ ’23-132 ❖》

ツチトリモチ(土鳥黐)  ツチトリモチ科(Balanophoraceae)
学名:Balanophora japonica  
キノコのように見えるが、一粒の間に花を見せる。
環境によって雰囲気が変わる。
古い資料。
なんとも言えないかわいさ!!
面白い!!
リュウキュウツチトリモチ(琉球土鳥黐、Balanophora fungosa)

※以上の画像全て借り物。※
 
《 備忘録(12月に観たい〝野生花5〟)!?! 》
ツチトリモチは、日本固有種で寄生植物。
紀伊半島, 四国, 九州, 南西諸島,
其々の山地森林内の限られた場所に見える。
木の根に寄生し根塊(寄生木こぶ)を作る。
寄生する木は、ハイノキやクロキ等、
限られた樹種のみに寄生する。
光合成をせず葉が無く雌雄異株。
雌株だけでも増える単為生殖である。
草丈6~12cmで菌が赤いので真っ赤な姿をしている。
花期は、10~11月で3cm程の肉穂花序を出す。
毎年同じ場所に出現。
こぶは年々コブは大きくなり最後は黒くなって枯れる。
花序が坊主頭に似ていることから、
ヤマデラボウズ(山寺坊主)とも呼ばれる。
根塊(コブ)に粘着物質が含まれ、
昔は潰して鳥もちに用いられていた。
寄生木こぶ(根塊)の色が異なるのは、
寄生してからの年数の違いと推測される。
栄養は、寄生主の根を体内に引き込んで吸収する。
根茎は大小不同に2 - 3に分岐。
一見すると、キノコのように見えるが、
隠花植物ではなく隠花植物で花を付ける。
*      *      *
未だ見ていない野生種、結構ある。遠き南方方面に多い花々。
ミヤマツチトリモチは、東京都西多摩郡の某所で見る事ができる。
備忘録⇨記録しておく^^)。
 
「令和伍年(皇紀2683年)12月18日、記」
 
 
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《襍・/・画  〝冬景(23)〟  ❖ ’23-131 ❖》

ハマヒサカキ(浜姫榊) モッコク科 (Pentaphylacaceae )
学名:Eurya emarginata (Thunb.) Makino var. emarginata   
別名;マメヒサカキ(豆姫榊)、イソシバ
ハマヒサカキ(浜姫榊)雌花。
ハマヒサカキ(浜姫榊)雌花。
ハマヒサカキ(浜姫榊)雄花。
ハマヒサカキ(浜姫榊)の実。

《 備忘録(12月に観たい〝野生樹花3+1〟)!?! 》
ツバキ科 Theaceae からモッコク科 Pentaphylacaceae に分離された。
千葉県以南〜沖縄の海岸風衝地で匍匐し自生いる。日本固有在来種。
常緑低木で樹皮は、淡灰褐色でなめらか。浅い縦じわがある。
本年枝は淡褐色、短毛が密生するが、ときに無毛のものある。
葉は、互生。葉身は、倒卵形で先は丸いかやや凹み基部はくさび形。
光沢あってやや厚く縁は裏側へ反り返り浅い鋸歯がある。雌雄異株。
側枝の葉は、2列に並ぶ。葉柄が枝に流れて、低い稜になる。
葉の下脇に淡黄緑色の花が1〜4個束生し花弁は5枚で白色。
雌花は雄花より小さい。鐘形で下向きに開き強い臭気がある。
雄花には雄蕊が10〜15個あるが、雌花では退化している。
雌蕊は1個。雄花では退化してる。雌蕊の花柱は3裂する。
萼片は5個。果実は液果。球形で11〜12月に黒紫色に熟す。
種子は、10〜20個で不規則に角張る。表面は暗赤褐色。
花期は11〜12月。冬芽は裸芽で披針形。緑色で赤みを帯びる。
*      *      *
千葉県浜田川河口付近の岸辺に自生していたが今は???
神奈川県内の自生地を知らない。勉強不足m(_ _)m。
未だ見ていない野生種、結構ある。備忘録⇨記録しておく^^)。
 
「令和伍年(皇紀2683年)12月16日、記」

ワオ!と言っているユーザー

《襍・/・画  〝冬景(22)〟  ❖ ’23-130 ❖》

マルバノキ(丸葉の木) マンサク科(Hamamelidaceae)
学名:Disanthus cercidifolius Maxim.  
別名:ベニマンサク(紅満作) 
チョット引いてみると殺風景。
星型・・・樹上のヒトデ!?!
葉紅葉初め。
かなり紅葉が進んだ葉。
似た物同士の比較。借り物画像。


《 備忘録(12月に観たい〝野生樹花3〟)!?! 》
日当たりの良い谷間の岩地に生える、落葉低木。高さは2-3mになる。
葉は互生し、長い葉柄の先に、円心形の葉身をつけ、秋に紅葉する。
葉が落ちる前後に、葉腋に独特の匂いの花を2花、背中合わせに付ける。
花は紅色で、5枚の花弁が星状に付く姿は、瀟洒だ。
果実は翌年の花時に熟し、4裂し種子を弾き飛ばす。
 
研究者ノート;筑波実験植物園(奥山雄大)
多くの植物や昆虫にとって、冬は休眠の時期。
でもわざわざそんな冬にあわせて花を咲かせる「変わり者」の植物がいます。
岩礫地(山地性)や低木林(低地性)にひっそりたたずむマルバノキは、
この時期、赤黒い星型の花を背中合わせに2つずつ咲かせます。
遠目からは花が咲いていることにすら気づかない程小さく地味な花ですが、
鼻を近づけてみると強い刺激臭があり、これでハエの仲間を誘っているようです。 
在来種(日本固有種)。本州(中部、近畿、広島県)で野生樹が観られる。
和名のとおり葉が丸く、別名のように紅花である。樹皮は灰褐色、皮目がある。
葉は互生、長さ5~11㎝の卵円形~卵心形。花は直径約1.5㎝、2個が背中合わせにつく。
蒴果は長さ約1.5㎝の頭が窪んだ倒円心形、翌年の秋に熟すと2裂する。
種子は長さ7~8㎜、光沢のある黒色。花、果実、紅葉が秋に一緒に見られる。
紅葉の美しさと花のかわいらしさが好まれ、庭木としてよく栽培されている。
自生のものが見られるところは少ない。
中国に自生する subsp. longipesは花柄が長く9~22.5㎜あり、果時には22.5㎜以上になる。
*     *     *     *     *
宮島が見える瀬戸内の海岸にブナやミズナラなどの落葉樹が植栽されている場所がある。
植栽されたツワブキの花も満開。良い雰囲気であるが、植生学的には奇妙である。
夕方であったので丸い葉で紅葉が美しい低木が植栽されていると思いつつ、
気にしていなかった。
薄暗かったので花が咲いているのを認識するのにやや時間がかかった。
近寄ってみると、おやおやマルバノキだと気がついた。
マルバノキは本州中部以西、四国に分布する。
岡山県における自然分布は1箇所しか知られていない。
花は10月から11月にかけて短枝の先端に背中合わせに2つ咲く。
花弁は暗紅紫色で長さ6mmほど。美しい紅葉と同時の開花であるが、
この状態で開花する植物は、他にあるのであろうか?
他に競争相手のない時期に花を咲かせ、
春になってから果実・種子を生長させるのであろう。
受精できれば、それでも良いわけだ。
マルバノキは、紅葉・開花時期に花材として切り取られたり、
盗掘されるなどの被害が報告されており、
保護の観点もあわせて岡山県では絶滅危惧種に指定している。
種子発芽も良好なようで、庭木として栽培・販売されている。
*     *     *     *     * 
最近は、ネットで色々な感慨が記載され誰でも見れる。
上記引用文の如く・・・ありがたい。
古くは、千利休も関心を寄せたと伝わる”マルバノキ”。
晩秋の高野山麓、紅葉の終わりに黄葉と赤い花を同時に見た事がある。
自生・野生の樹花だったと思う。絶滅危惧種とされてると少々寂しい。
”マルバノキ”の花言葉は、「早熟」「幸福の再来」「ひらめき」。
秋の紅葉は錦色。紅から黄色の変化が美しい。
白色を好んだ利休。が、マルバノキは紅。何れ程に心に染みたかが分かる。
茶人の千利休が茶会のときに好んで活けたといわれる花々。
オオヤマレンゲ(大山蓮華)、おおかめの木(別名ムシカリ)、
ハクウンボク(白雲木)、ナツツバキ(夏椿)、シロワビスケ(白侘助)
ヤマボウシ(山法師)、ベニマンサク(丸葉の木)。
オオヤマレンゲを好んで使い生けていた利休。白色を好んでいた事がわかる。
備忘録・記録するに足る事^^)。
 
「令和伍年(皇紀2683年)12月14日、記」

ワオ!と言っているユーザー

《襍・/・画 〝冬景(21)〟  ❖ ’23-129 ❖》

ヤブツバキ(藪椿) ツバキ科(Theaceae)
学名:Camellia japonica L.
別名:ヤマツバキ(山椿)、ツバキ(椿) 

福井県三国町の雄島にある、藪椿に張られている注連縄。
訪ねてみたい。

以上2画像、借り物。


 
《 備忘録(12月に観たい〝野生樹花2〟)!?! 》
ヤブツバキ(藪椿);
花は11月末頃から見られるが、開花が盛んになるのは1月末頃から。
幹の樹皮は灰褐色~黄褐色で滑らか。葉は互生。
葉身は、長楕円形~卵状楕円形で先は尖り基部はほぼ円形。
葉は、無毛でやや厚く表面に光沢があり縁には細かい鋸歯がある。
枝先の葉腋に赤色の花を付ける。稀に淡紅色や白色のものもある。
花は、5弁花。雄蕊は多数で花糸が中間部で合着して筒状になる。
離弁花であっても合弁花のように咲いたままの形で落ちる。
花筒の底には蜜が溜まる。萼は黒褐色で外面に絹状の伏毛がある。
近似のサザンカは花弁が平開、雄蕊の基部だけが合着、筒状にならない。
花後には、花弁がバラバラに落ち、雄蕊があとから落ちる。
ヤブツバキ、一つ一つの花は楚々と映るが遠目には豪華賑やかである。
他方、種からとれる椿油も有名。伊豆大島は知られた所である。
オリーブオイル・ホホバオイルと並び、世界三大オイルのひとつ。
椿油には、保湿力に優れたオレイン酸が多く含まれている。
べたつきがなく、サラサラで艶のある髪を醸し出し、整髪剤でも知られる
又、椿油には紫外線等から守る効果や美肌効果もある。食用に用いられている。
摂取すると悪玉コレステロールを減らし、生活習慣病予防にも効果あるとされる。
り、古くより「不老長寿の薬」とも言われてきた。
*     *     *     *     * 
野生種をヤブツバキと呼び、野生種を改良した園芸種をツバキと呼び区別。
種類としては同じようだ。野生種は、海岸に多い。が、内陸でも見かける。
身近でも園芸種は、よく見かけるが自生地の花を久しく見ていない。
備忘録と記録しておこう^^)。
 
「令和伍年(皇紀2683年)12月13日、記」

ワオ!と言っているユーザー

《襍・/・画  “ 冬景(20)”  ❖ ’23-128 ❖》

ミヤマウグイスカグラ (深山鶯神楽) スイカズラ科(Caprifoliaceae)
学名:Lonicera gracilipes Miq. var. glandulosa Maxim. 
蕾がついた姿。
雄蕊が突き出ている。
(以上3画像は借り物)。
《 備忘録(12月に観たい〝野生樹花〟)!?! 》
ミヤマウグイスカグラ (深山鶯神楽);
樹高2m程になり、山地に生える落葉低木。ウグイスカグラの仲間。
鶯神楽と似ているが違いは枝・葉・花冠・実等、全体に短毛が密生している。
枝は分岐が多く、ウグイスカグラよりもやや赤みがある。
葉は、対生し楕円形~ひし形,先端が急に尖り,裏面はザラザラしている。
枝や葉に蜜腺が多い事でヤマウグイスカグラの変種と考えられている。
4~5月頃、葉が開くのとほぼ同時に下向きに紅色の花を咲かせる。
花は、ウグイスカグラよりやや大きく花色はやや薄いのは短毛ある為か。
花冠は五つに裂け、枝先の葉の脇に1~2輪ずつぶら下がる。
柱頭は、雄蕊よりも長い。秋になると赤い実(液果)をつける。
この実は液果という汁気をもった実で甘味があって食用になる。
この実を狙って小鳥が集まる.この様子から和名は付けられている。

*     *     *     *     * 
植物園では良く植栽されているが自生地は減少していると聞く。
奥日光の戦場ヶ原で初夏に咲いていた群落を観たことがあった。
初冬にも花が咲くと聞いている。是非に自生地の花を見に行きたい。
備忘録と記録しておこう^^)。 

「令和伍年(皇紀2683年)12月10日、記」

ワオ!と言っているユーザー

《襍・/・画  “ 冬景(19)”  ❖ ’23-127 ❖》

ナカガワノギク (那賀川野菊)   キク科(Asteraceae/Compositae)
学名: Chrysanthemum yoshinaganthum Makino ex Kitam.
※ 自生・野生の那珂川野菊画像が見つからず園芸種画像・借り物画像 ※
 

《 備忘録(12月に観たい〝野生花・3+1〟)!?! 》
ナカガワノギク (那賀川野菊);
ナルトオウギやツルギミツバツツジのように、徳島県で発見され、
地名がその名に付いた植物が幾つかある。
秋に白い花を咲かせるナカガワノギクもその一つである。
ギクは徳島県の固有種で、世界中探しても他では見られない珍しい野生菊である。
この菊はキク科の多年草で、茎は高さ10センチメートル以上、時に1メートルを超える。
葉は細長く、3つに切れ込み、十月下旬から十二月にかけて川岸に白い花を咲かせる。
ナカガワノギクは那賀川でも阿南市持井より那賀町長安口ダムまでの限られた範囲にしかない。
この菊が生える場所は、川のそばの岩場で、そこは大雨が降ると水に浸かる場所だ。
こうした場所は渓流帯と呼ばれ、そこに生える植物は渓流沿い植物と呼ばれる。
渓流沿い植物には葉が流線型になるという特徴がある。
そうした場所はいったん増水すると、 川岸は濁流に浸かり、それが数日も続く。
できるだけ水の抵抗を少なくして増水が収まるのを待つために、
渓流沿い植物の葉は流線型をしているのだろう。
ナカガワノギクも他の菊に比べて、葉が細くなっていて、渓流沿い植物の特徴を持っている。
日本の野生菊の仲間には、渓流帯に生えるものは他には無い。
海岸の斜面や崖などの日当たりの良い場所に生えるものがほとんどだ。
ナカガワノギクは、そうした日当たりの良い斜面に生えるリュウノウギクによく似ているので、
リュウノウギクと共通の祖先を持ったものが渓流帯に適応して生まれたものと考えられている。
那賀川流域は県下でも雨量の多い場所なので、
そうした暴れ川である那賀川の自然が那珂川野菊を生み出したとも言える。
ナカガワノギクは那賀町鷲敷付近でシマカンギクと雑種を作り、それはワジキギクと呼ばれている。
そして下流では、雑種が交雑をくり返し、山麓や田のあぜなどに様々な型のものが生えている。
ナガカワノギクの面白さは、いったん川岸に特化して分化したものが、シマカンギクと雑種を作り、
その遺伝子を取り込みながら、ふたたび、川岸より離れて広がっていったことだ。
秋の鷲敷ラインのゆったりした流れのそばに咲いている白いナカガワノギクを眺めていると、
那賀川の自然の厳しさに耐えてたくましくいきる生き物の力強さを感じる。
※ 徳島県立博物館資料より転載 ※
*     *     *     *     * 
海岸開発、自生種採集等で生育環境が悪化し、個体数が激減している。
自生地の画像を見つけられなかったので、個人宅の画像を拝借した。
是が非でも、自生地の野生の花を見に行きたい。
日本各地には、独特に進化した植物が存在している。備忘録と記録しよう^^)。

「令和伍年(皇紀2683年)12月09日、記」

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《襍・/・画  “ 冬景(18)”  ❖ ’23-126 ❖》

オオシマノジギク(大島野地菊)   キク科(Asteraceae/Compositae)
学名: Chrysanthemum crassum (Kitam.) Kitam. 

《 備忘録(12月に観たい〝野生花・3〟)!?! 》
多年草.根茎は這う.茎は叢生し,上部で太い.葉は大きく,長さ4 cmほどの長柄があり,
葉身は広卵形で,長さ3~5.5 cm,3中裂し,裂片に波状鈍鋸歯牙があり,
基部はやや心形または切形,厚く,表面は緑色,裏面は密に毛があって灰白色.頭花は径3~4.5 cm,
総苞は幅1.3~1.8 mm,長さ9~10 mm.害片は3列,覆瓦状に並び,外片は内片より少し短く,披針形で鈍頭.舌状花は白色.そう果は長さ2 mm.
ノジギクに似ているが,一つの茎に付く頭花が少なく,花柄が長い.
そのため花期のピークがはっきりしないこともあり頭花がまばらな感じに見える.
屋久島や奄美諸島の海岸に生える.
熊本大学薬学部薬用植物園植物データベースより転載。
*     *     *     *     * 
海岸開発、自生種採集等で生育環境が悪化し、個体数が激減している。
日本各地には、独特に進化した植物が存在している。備忘録と記録しよう^^)。 

「令和伍年(皇紀2683年)12月08日、記」

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《襍・/・画  “ 冬景(17)”  ❖ ’23-125 ❖》

ワカサハマギク(若狭浜菊)   キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Dendranthema japonicum  (Makino) Kitam. var. wakasaense (Shimot. ex Kitam.) Kitam.
(以上の画像は、借り物)

《 備忘録(12月に観たい〝野生花・2〟)!?! 》
ワカサハマギクは、主に鳥取県から福井県に至る、日本海の海岸岩場に自生する。
又、琵琶湖北側や東側内陸川沿いの崖、伊吹山、霊仙山等の石灰岩地でも見られる。
リュウノウギクの変種であり、よく似ているが全体に大型。日本固有種。
草本名は、まぎらわしいがハマギクの一品種ではない。
関東で普通に見られるリュウノウギク(竜脳菊)の染色体が二倍体になった変種。
染色体数が増加すると一般的に植物では細胞が大きくなり植物体自体も大きくなる。
理論的には染色体数が2倍になると、細胞の体積が2倍になってる事になる。
体積が2倍になったとすると細胞の一辺は25%程度大きくなり、
細胞数が同じであれば葉のサイズも1.2倍ほどのサイズになる。然るに大きい。
草本名は、自生地周辺をかつて若狭地方と呼んだことによる。
茎は細長い地下茎を出す。茎高は、40~80cmになりまばらに枝を分ける。
葉は、長さ5~10cmの幅広の卵形で先端は三つに裂け、各裂片は更に細かく裂ける。
葉の表面は淡い緑色だが、裏面には細毛が密生しているため銀白色に見える。
開花は10~12月で、直径3~6cm大の花が花茎の先端に一輪ずつ咲く。
花は他のキク科植物と同様、小さな筒状花と舌状花が集まってできている。
中心部にある筒状花(頭花)は黄色く、周辺部にある舌状花は白い。
が、花期後期には赤みを帯びる。独特の芳香がある茎と葉には強壮作用がある。
*     *     *     *     * 
海岸開発、自生種採集等で生育環境が悪化し、個体数が激減しているらしい。
ワカサハマギク等の野菊に遺伝子汚染という危機が迫っていると言われているのだ。
栽培している菊の花粉を受けて雑種化し、純粋な野菊が減少している。
日本各地には、独特に進化した植物が存在している。備忘録と記録しよう^^)。 

「令和伍年(皇紀2683年)12月07日、記」



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