《襍草・/・古往今来190》秋海棠

節が紅色をおびてる。
いくつも花をつけていたが、この一輪に惹かれた(^_^)。

シュウカイドウ(秋海棠) シュウカイドウ科(Begoniaceae)
学名:Begonia grandis Dryand.

父が天星して暫く立つ、この所、庭の様子が変わってきた。
日陰に見慣れない植物が顔を出し始めた。
隣家との境、ちょっと湿った場所に高さ30cm位の茎に、
華奢でかわいい花が顔を出した。
今まで咲いている所を見たことがない!?!否、茎すら見てない???
花後に葉腋に無性芽をつけ茎が枯れる頃落ちる、こんな姿を觀察できるのか??
ワクワクドキドキである。
中国原産で古くから園芸用、庭花とされてはいるが、野生化し自生している。
近づいて見ると和菓子のような趣がある。


10月8日誌「大和市・居所」


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《襍木・/・古往今来189》禅寺丸(柿)


カキ(禅寺丸柿)    カキノキ科(Ebenaceae)
学名:Diospyros kaki‘Zenjimaru’

「里古りて柿の木持たぬ家もなし」 松尾芭蕉
一般的には知られていない由緒ある不完全甘柿(種子が入らないと渋い)。
禅寺丸柿(ぜんじまるがき)とは、 川崎市麻生区が原産と伝わる。
日本最古の柿栽培品種。神奈川県川崎市の王禅寺に原木が今でも残る。
古くからなじみ親しまれてきた柿だが、この品種はいつしか市場から消えていた。
柿は、古くから日本の風景になじみ親しまれてきた果樹。
甘柿と渋柿があるが、もとは渋柿の遺伝子が優性でそこから甘柿が分かれてきた。
日本の柿品種約1000のうち完全甘柿は10数種類のみ。
完全甘柿とは、種子有無によらず常に甘くなる柿で「富有」「次郎」が代表的品種。
かつて丹沢・大山子易地区は禅寺丸柿(子易柿)栽培が盛んであった時期がある。
それ故か、神奈川県内では「大山柿」と呼んでもいた。
今でも禅寺柿は、柿シーズン到来を知らせる事が出来る品種だ。
10月に入ると大山街道沿いで「子易柿」という名称で販売され親しまれている。
この禅寺丸柿は、富有柿の受粉樹として、柿園には点在しているらしい。
富有柿は受粉して種が入らないと生理落下
(病気などが原因でなく梅雨時に自然に果実が落下する現象)
を起こしやすい品種のため、花粉の豊富な雄花をたくさんつける「禅寺丸」は必需樹なのだとか。



「川崎市教育委員会」資料より、由緒を転載します。
ぜんじまるがき(禅寺丸柿);指定本数7本;所有者:王禅寺他;所在地:川崎市麻生区王禅寺940他
登録  国登録記念物 平成19年7月26日登録
解説
 カキノキは日本、中国、韓国を原産とし、東アジアの温暖な地域に分布するが、その中で甘ガキは日本の特産である。禅寺丸柿は、鎌倉時代前期にあたる建保2(1214)年に現在の川崎市麻生区王禅寺地内、星宿山王禅寺の山中で発見され、果実の甘さが記録されたことにより日本で最初の甘ガキとして歴史に名をとどめている。伝承によると、発見から約150年後の応安3(1370)年に、元弘3(1333)年の新田義貞の鎌倉攻めの兵火を被り消失した王禅寺の再建を、朝廷が等海上人命じた。等海上人は再建の用材を求めて寺の裏山に入り、柿の熟しているのを見つけ、あまりにも美味であったため、持ち帰り、村人に接木をして栽培させるとともに、近隣にも栽培を広めていったと言われている。この度登録された柿のうち、王禅寺境内にある1本は、禅寺丸柿の原木と言われている。
 約100年後には横浜地域や南多摩地域にも栽培は広がった。東京都調布市佐須の都天然記念物である「禅寺丸古木」や、同じく調布市深大寺の市天然記念物「禅寺丸古木」などは、禅寺丸柿の栽培の広がりを示すものといえる。当初、禅寺丸柿の名称は王禅寺丸柿と呼ばれていたが、元禄時代頃に現在の禅寺丸柿の名で呼ばれるようになったと言われている。
 禅寺丸柿は慶安元(1648)年頃から、江戸に出荷され始めた。文化7(1810)年の「新編武蔵風土記稿」の下麻生(川崎市麻生区)の項には「此辺村毎に柿の木をうえ実をとりて余業とす」、王禅寺村(麻生区)の項には「ここにても柿の木をあまたうえてその実尤美なり、江戸にて禅寺丸柿と称するものは此所の産なり、もと王禅寺丸と唱ふべきを上略して禅寺丸と称す云」と記述されている。その他、金程村(麻生区)、諏訪河原村・末長村(川崎市高津区)、井田村(川崎市中原区)の項にも、産物としての柿の記述があることから、当時、広く禅寺丸柿が栽培され、江戸に出荷され現金収入の大事な産物となっていたことがわかる。
 明治になってからも、土地の重要な産物として、東京へ出荷されている。明治20(1887)年の麻生区の7ヶ村に限った資料では、348トンもの出荷が記録されている。
 明治22(1889)には、町村制施行により、黒川・栗木・片平・五力田・古沢・万福寺・上麻生・下麻生・王禅寺・早野の10ヶ村が統合されて柿生村が誕生するが、新村の名称は、柿の生産がすこぶる多いことから来ている。
 明治42(1909)年10月には、禅寺丸柿が明治天皇に献上されているが、この柿は樹齢300年といわれる柿で、この度登録された7本のうちの1本である。
 明治時代の末には道路事情の改善や鉄道の発達により、関東地方はもとより、名古屋方面まで禅寺丸柿は出荷され、最盛期を迎える。大正10(1921)年の柿生村の生産量は938トンに達している。また、大正14(1925)年の神奈川県の調査では、県内の柿の栽培品種では禅寺丸柿が55%を占めており、市場でよく流通していたことがわかる。禅寺丸柿が一世を風靡した事例の一つに、池上本門寺のお会式に出る店で水菓子として禅寺丸柿が昭和初期まで評判を呼んでいたことが挙げられる。しかし、その後は、新しい柿の品種の登場や、都市化の進展によるカキノキの減少などにより、昭和40年の後半には市場から姿を消し始め、現在では市場への流通はなくなった。
 このような状況にあって、平成7(1995)年に地元の人々の熱意と努力により、地域の名産である禅寺丸柿の恩恵や歴史的価値を守るために、柿生禅寺丸柿保存会が結成された。保存会は原木の手入れや、小中学校や公園への植樹活動、各種イベントの開催、苗木の地域住民への贈呈などを行うとともに、平成9(1997)年には禅寺丸柿ワインの製造販売も行い、禅寺丸柿を次世代に引き継ぐ活動を行っている。平成7(1995)年の保存会調査では、禅寺丸柿は約2779本、同平成16年度調査では、2,202本現存している。
 登録記念物選定にあたって、原木以外については幹周1.5m以上で、樹高7m以上の個体859本のうち、樹勢のよく、所有者の同意の得られた6本が選定された。




10月7日誌「大和市郷土民家園」

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《襍草・/・古往今来188》犬酸漿


イヌホオズキ(犬酸漿) ナス科(Solanaceae)
学名:Solanum nigrum
別名、バカナス(馬鹿茄子)[英名]Black nightshade


有毒植物だが、漢方では精製したものを龍葵(りゅうき)と呼び、
ガン細胞の抑制作用があり治療に持ちいられる。
道端や畑などにふつうに見られる。茎高30~60センチ位。
葉は広卵形、縁に波状の鋸歯がある。1cmにも満たない小さな花。
果実は球状で、緑色から紫黒色に熟す。
全草にソラニン、果実に脂肪油などを含んでいて有毒。
イヌホオズキって4種類もあるとか。
イヌホオズキ、アメリカイヌホオズキ、オオイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキ。
アメリカイヌホオズキは紫色の花が多いらしいが、白色もあるとか。
其々よく似ていて見分けは困難。しかし一色単に雑草で片付けている。

10月6日誌「大和市居所」


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《襍草・/・古往今来187》赤飯(アカマンマ)



イヌタデ(犬蓼) タデ科(Polygonaceae)
学名:Polygonum longisetum De Bruyn

子供の頃、野山で遊んでいてこの花をとって自宅に持ち帰った記憶がある。
家の玄関に、母が徳利に一輪さしてくれた。この色って複雑な色に感じたものだ。
青年時代に、初冠雪を見る頃に谷川岳、一ノ倉沢や幽ノ沢の取っ付き地点でも見た。
下界の野原でみるイヌタデと比べると花穂が短い。寒さ、自然界の摂理か!!
「犬・・」と付く植物名、役に立たないという意味らしいが、植物に失礼って感じる。
アカマンマ(赤飯)という呼び名、花を前にするとぴったり。楚々としている。
里山で出会った、目の前の直立した姿は、凛々しくさえ見えた。


10月5日誌「大和市泉の森」


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《襍草・/・古往今来186》関東嫁菜

かわいい生き物・・・。

カントウヨメナ(関東嫁菜) キク科(Asteraceae)
学名:Kalimeris pseudoyomena
または、Aster yomena var. dentatus(syn. Kalimeris pinnatifida var. dentata)
関東以北で見られることからヨメナの関東版ということらしい。
花色でヨメナは薄い紫、カントウヨメナは白、が一般的(薄紫も在る)。
嫁菜は、本州中部地方以西から四国・九州に自生してる由。
やや湿り気の多いところに茎高50~100センチで、
葉は長楕円形で縁に粗い鋸歯があり互生。
「ノコンギク」に比べて葉がすべすべしているとか。
晩夏~初冬まで直径3センチ位の淡青紫色の花を咲かせる。
黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴で春の若芽は食用で美味。
「ヨメナ」キク科ヨメナ属の多年草で、学名は Kalimeris yomena.

一方、カントウヨメナの学名“pseudoyomena”のpseudoの意味は、、、
似た・・・にせものと言った意味がある。
関東嫁菜の特徴を聞いてみると、田のあぜ・川べり・湿っぽい山野、道端で見れる由。
茎高50cm~100cm。地下茎を伸ばして増え、小枝の先に直径約3cmの頭花を1個ずつ付ける。
舌状花は淡青紫色~白色で、中心の筒状花は黄色。舌状花と筒状花では、花柱の先端の形が異なる。
総苞片はへら状。葉は粗い鋸歯のある披針形~卵状長楕円形で長さ4cm~8cmになる。
ユウガギクより厚く、ヨメナより薄い。縁の鋸歯はやや粗い。
そう果の冠毛はごく短く、ヨメナよりやや小さめ。若い芽は食用になる。
ヨメナの仲間は良く似ていて区別が難しい、染色体数を調べないと正確な見分けは困難。
ユウガギクとヨメナの、中間的な特徴を持つのが関東嫁菜。
関東嫁菜(カントウヨメナ)はキク科シオン属(ヨメナ属)の多年草。
かつてはヨメナ属(Kalimeris)として区別されたが、現在はシオン属(Aster)に纏められてる。
関東嫁菜は日本固有種。
大雑把に見分ける違い。嫁菜と比べて葉が薄く、葉の縁のぎざぎざ(鋸歯)が粗いのが特徴的か!!
野紺菊(ノコンギク)にも似てるが、関東嫁菜は、花の後にできる綿毛が短い。
和名の由来は、婿菜(ムコナ)とも呼ばれる白山菊(シラヤマギク)との対比でつけられた!?!
色々な解説を読むと納得でき分かった気分になるのだが、、、
実際に植物と対面すると判断に迷う、、、聞かれても分からないと答えるのが常である。

10月4日誌「大和市泉の森」


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《襍草・/・古往今来185》鵯花


ヒヨドリバナ(鵯花) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Eupatorium chinense L. var. simplicifolium (Makino) Kitam.

温帯から暖帯の比較的明るい林縁等、造林地などの草地にも多く見える。
地下茎は短くて太い。葉の表面は無光沢で短毛が生え、裏面には全体に腺点がある。
ひよどり(鵯)の鳴く頃に咲くというが、鵯は一年中鳴いてる由!?!
茎高さ1~2m位。茎には縮れた毛があってざらつく。
葉は対生し短い柄があり卵状長楕円形~楕円形で先は短くとがる。
基部は急に葉柄となり、ふちに鋭い鋸歯がある。
サワヒヨドリなどには葉柄がないが、ヒヨドリバナの葉には柄があるので見分けられる。
「(葉柄・petiole)とは、葉身と茎をつなぐ柄状の構造であり、
茎と葉身の間の水・栄養分・同化産物の通路となり、また葉身を支える役目も果たす。」
上部の枝先に多数の頭花をつけ、頭花は5個ほどの白色の両性の筒状花からなる。
花冠の先は浅く5裂し、花柱の先が2分枝して長くのびる。
筒状花は白色だが、まれに紫色を帯びる。総苞は長さ5~6mm。総苞外片は乾いた膜質で短い。
果実はそう果、長さ3mm、5稜、腺点がある。
しばしばジェミニウイルスに感染し、葉に黄色の斑点があらわれる。
近縁種・秋の七草の一つ「フジバカマ」は、古くに中国から渡来した帰化植物。
ヒヨドリバナは大古より自生してる野生種。
遠目には、これ等の花は見分けが難しい。
だが立ち姿、枝分かれ、特に葉の形状をじっくり見ると見分けが付く。


10月3日誌「大和市泉の森」

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《襍草・/・古往今来184》山杜鵑草

《襍草・/・古往今来184》山杜鵑草

ヤマホトトギス(山杜鵑草) ユリ科(Liliaceae)
学名:Tricyrtis macropoda

ホトトギスは園芸種だが、ヤマホトトギスは日本全土に自生する野生種。
1株に3~5個の花を付け、花片が上下2段に付き、高く突き出ている。
里山の散策路脇に静かに咲いているが、ほとんどの散策者は通りすぎて行く。
然るに毎年出会えるんっか!?!


10月2日誌「大和市泉の森」

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《襍草・/・古往今来183》狗尾草


エノコログサ(狗尾草) イネ科(Poaceae/Gramineae)
学名:Setaria viridis (L.) Beauv. var. viridis
別名: ネコジャラシ(猫じゃらし・関東地方の表現か?)

アワの原種。子供の頃、野山での遊びの道具だった(玩具か?)。
「犬ころ草」「犬の子草」が語源らしいが、我々は、「猫じゃらし」。
英名 Foxtail Grass」。
今の季節にふさわしい「 アキノエノコログサ」があるがバカでかい!!

10月1日誌「大和市泉の森」
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《襍草・/・古往今来182》藪苧麻の実


ヤブマオ(藪苧麻) イラクサ科(Urticaceae)
学名:Boehmeria longispica

夏に地味な密集花を付けるが、林の中では花って感じない。
マオ(苧麻)という植物の皮(繊維)を原料にした物を苧麻と呼ぶ。
同属で藪に見えることでヤブマオ(藪苧麻)の名前がついた。
画像は、実になった状態。人の背丈ほどのの高さになる。
小さく花の穂が細く葉も薄いメヤブマオ、蔓性のものをツルマオという。


9月30日誌「大和市泉の森」
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《襍草・/・古往今来181》白山菊


シラヤマギク(白山菊) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Aster scaber Thunb. ex Murray
別名: ムコナ(婿菜)

温帯から暖帯にかけてみられ、高さ1-1.5m位。根出葉は卵心形で長柄があり、花時には枯れる。
上部の葉ほど小さく、葉柄も短い。花期は8-10月。白色の頭花を散房状につける。
頭花は径18-24m位、筒状花の花冠は長さ5.5mm位。
ムコナ(婿菜)とは、ヨメナ に対して付いた名前で、若芽は、春の山菜である。
ヤマギクと呼ばれる如く、高山でも見ることができる。
谷川岳登山道、標高1,600mあたりでも散見される。



9月29日誌「大和市泉の森」

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