《襍感・/・古往今来177》林床の野草


里山を散歩していると、どこにでも見られる眺めの中に!!
面白おかしく想像できる光景に出くわすことがある。
世人は、雑草とけ嫌いする植物だが、森の大切な構成者。
そんな植物が見せる姿、偶然の重なりだが、
細い竿先に浮きの如くに見ゆる枯れ葉。
小さく、地味な花がいっぱいだ。愛おしく見える植物諸君。


9月25日誌「大和市泉の森」
#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍草・/・古往今来176》数珠玉


ジュズダマ(数珠玉) イネ科(Poaceae/Gramineae)
学名:Coix lachryma-jobi

高さ1m位になる湿地を好む植物。株は葉をつけた茎の集合によってなる。
栽培されてもいるが日本固有種ではなく帰化植物が野生化自生した。
原産地は、インドシナ・インドネシア。
ハトムギとよく似るが、ハトムギの実は茶色のみ。
ハトムギはジュズダマの栽培品種ともいわれている。
数珠玉の実、色は白や赤、灰色や黒と色々ある。
我々の子供時代には、実に糸を通してネックレスや数珠にして遊んだものだ。
お手玉などの材料にもした。こうした遊びは伝承して欲しいものである。
植物の葉等で色々な遊びをしたものだが・・・!?!

9月24日誌「大和市泉の森」
#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍木・/・古往今来175》御柳


ギョリュウ(御柳) ギョリュウ科(Tamaricaceae)
学名:Tamarix chinensis

学名のように中国原産で江戸中期に渡来したとされる落葉低木。
細い葉にびっしりとピンクの花を付けよく公園や庭に植えられている。
老木になると枝が垂れ下がり、シダレヤナギやロッカクヤナギ風になるとか。
数mmほどの小さい花をたくさんつけ優美だがあまりにも小さく穂にしか見えない。
例年春に花つけるが、今年は今の期に顔を見せた。
「御柳」は麻疹(はしか)の薬に供されたと我が家の資料にあった。
親爺は一応医者だったので其のへんは知っていたのだろう。
如何に用いたか聞き漏らした。ちょっと残念である。

9月23日誌「鎌倉市稲村ヶ崎」

#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍感・/・古往今来174》夏の名残


身近の里山を散策してるとまだ蝉の声が聞こえてくる。
先週末も散歩がてら出かけてみた。
年に幾度か発症する「腰痛」、秋が一番酷い!?!
ひどくならないように、ゆっくりと身体を動かしながら。
定期的に定点觀察してる場所では、2ヶ月以上もの間、
次々と「マヤラン」が顔を見せてくれてる。
秋を実感するのだが、イマイチ季節感が狂ってるようにも感じるのだ。

「蝉」といえば夏・・・なのだが、健気に最近抜けだした!?!
とみえる・・・蝉の抜け殻を見つけた。
近寄ってみると、しっかりと植物に爪を食い込ませて。
抜け出る準備を髣髴とさせる。
生命の営みを強く見せられた一瞬だった。


9月22日誌「大和市泉の森」

#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍木・実・/・古往今来173》鎌酸実

美味しそうに見えるガマズミの実。
酸っぱいと云われるが、完熟すると結構、美味!!
どことなく「秋」って感じ!!

ガマズミ(鎌酸実、莢迷;アラゲガマズミ) レンプクソウ科(Adoxaceae)
学名:Viburnum dilatatum Thunb. ex Murray

春先に白い花を沢山つけたガマズミだが今頃になるとムシカリとうりふたつの赤い実が付く。
房状の果実は、観賞に耐える、食べることもできる(鳥もよく食べる)。
鎌酸実名の由来は、実が酸っぱい、漢名の莢迷(きょうめい)が→かめ→がまに訛ったとも云われる。
枝は柔軟性があり、折れにくいので道具類の柄にする。枝をねじれば薪類を束ねるのに使える。
雪国では、かんじき(雪の上を歩くための道具)にも使われる。魔除けとして杖にする地方もある。
「ズミ」とは、染めを表し、果実を染料に用いられてると聞く。
ガマズミの葉は、晩秋には地味だが紅葉する。
いつの間にか秋模様。植物は、それを実感させてくれる。

9月21日誌「大和市泉の森」

#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍囈・/・叛逆のろれつ》白彼岸花!!其の二。

見た目は、只々「曼珠沙華」だが、コヒガンバナである。
花の見極めって難しい。
見て楽しもう、目の前の花!!

先日、シロバナヒガンバナ(白花彼岸花)について記した。
別名:白花曼珠沙華・白花曼殊沙華とも記した。
うる覚えで記してしまい、補足をしてみる。
いちいち、言葉(漢字表記)を区別する必要もなかろうが、、、。
ブログルのホームを覗いたら、今日も「白花彼岸花」が紹介されている。
なら、言葉として、漢字として側面からみてもよかろうかと!!!

「紅白の彼岸花」見た目に、見る側からすると、とても美しい。
だが・・此岸から彼岸を思う漢字と捉えることもできる。

「曼珠沙華」とは梵語(サンスクリット語)で「紅色の花」を意味する。
前回記したことだが、「白花曼珠沙華」表記から色々なことが想像出来ようか??

この世(此岸)に咲く彼岸花を曼珠沙華、あの世(彼岸)に咲く彼岸花を曼殊沙華!?!
音写で曼珠沙華(マンジューシャカ manjusakaサンスクリット語)「紅色の花」の意
曼殊沙華(マンジューサカ manjusakaパーリ語)「天上界に咲く清らかな白い花」の意

昭和40年代に「山口百恵」ちゃんが、「曼珠沙華」という歌を最後に歌っておりました。
作詞 阿木燿子  作曲 宇崎竜童
このご両人・・・ものすごい識者と映ります。
「天上界に咲く白い清らかな花、それを見る者は罪を浄められる」と。。。!
「マンジューシャカ 恋する女は マンジューシャカ 罪作り 白い花さえ 深紅にそめる」(歌詞より)
なんとも情熱的な歌詞です。

和名のヒガンバナ、時に墓地に植えられ、秋の彼岸のころに花開く。それ故か彼岸花。

小野蘭山『本草綱目啓蒙』9(1806)に、「マンジユシヤケ京 
シビトバナ テンガヒバナ共ニ同上 キツネノイモ同上下久世 ヂゴクバナ 
カラスノマクラ ケナシイモ キツネバナ備前 サンマイバナ勢州 
ヘソビ同上粥見凶年ニハ団子トナシ食用スヘソビダンゴトイフ ホソビ同上 
シタカリバナ同上松坂 キツネノタイマツ越前 キツネノシリヌグヒ同上 
ステゴノハナ筑前 ステゴグサ同上 シタマガリ江州 ウシノニンニク同上 
シタコジケ同上和州 ヒガングサ仙台 セウゼウバナ クハヱンサウ
ワスレグサ共ニ同上 ノダイマツ能州 テクサリバナ同上 テクサリグサ播州 
フジバカマ同上三ケ月 シビレバナ同上赤穂 ヒガンバナ肥前 ドクスミラ 
キツネノヨメゴ共ニ同上 オホスガナ熊野 オホヰゝ マンジユサケ共ニ同上 
ユウレイバナ上総 カハカンジ駿州 スゞカケ土州 ウシモメラ石州 
ハヌケグサ豊後 ジユズバナ豫州 イチヤニヨロリ同上今治 ホドヅラ同上松山 
テアキバナ丹州笹山 キツネノアフギ濃州 ウシオビ同上 イツトキバナ防州 
ヤマベウバナ越後 ハミズハナミズ加州」と。
 漢名は「蒜は根の状を以て名づけ、箭は茎の状を以て名づく」と(李時珍『本草綱目』)。

更には、一説に、『万葉集』のイチシをヒガンバナとする。

  路の邊の 壱師の花の いちしろく(灼然) 人皆知りぬ 我が恋妻を
或る本の歌に曰はく、いちしろく 人知りにけり 継ぎてし念へば (11/2480,読人知らず)
イチシの花が何であるのか、旧来諸説があり、定まらない。
曰く、ギシギシ・クサイチゴ・エゴノキなど。
イチシをヒガンバナと考えたのは牧野富太郎であり、
のち松田修がその説を引き継いだ(『増訂 万葉植物新考』1970)。
 『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、
「さんしこ 末。花あかし。葉ハすゐせんのごとく、花の時ぶんハ葉なし。秋ニ出る」
とあるさんしこは、ヒガンバナか。次項の「唐さんしこ」はなつずいせんである。
さんしこは、山慈姑かも知れない。 
 
曼殊沙華咲くべくなりて石原へおり来む道のほとりに咲きぬ
 (1920,雲仙岳温泉神社裏の石原にて。斎藤茂吉『つゆじも』)
 
『妙法蓮華経』序品に、ブッダ(仏,釈尊,お釈迦様)が
ラージャグリハ(王舎城)のグリドゥラクータ(霊鷲山,りょうじゅせん)で、
多くの人々に教えを説き終わると、
「この時、天は曼陀羅華(まんだらけ)・摩訶(まか)曼陀羅華
・曼殊沙華(まんじゅしゃけ)・摩訶曼殊沙華を雨(ふら)して、
仏の上及び諸(もろもろ)の大衆(だいしゅ)に散じ」た、という。
曼陀羅華は、マーンダーラヴァ花の音写、「適意華」と意訳する。
見る者の意を喜ばせる花、の意。曼殊沙華は、マンジューシャカ花の音写、
「柔軟華」と意訳する。見る者に剛強から離れさせる花、の意。
摩訶は、マハーの音写、「大」の意。
 この曼殊沙華が何の植物を指していたかは不明、少なくともヒガンバナではない。(なお、曼陀羅華はデイコの仲間、Erythrina indica)。

諸説満載・・・。一つの花から夢膨らむ・・・されど斯様な事思うは、老境の戯言か!!。


#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍草・/・古往今来172》藪蘭


ヤブラン(薮蘭)    クサスギカズラ科(Asparagaceae)
学名:Liriope muscari (Decne.) L.H.Bailey

藪や林の中に育ち、古くから園芸用としても身近な植物である。
大きさにより小形のものにヒメヤブラン・コヤブラン、園芸種には、フイリヤブランがある。
白花のものは シロバナヤブランとも呼ばれ、一つ一つは小さな花だがしっかりと蜜を出す。
画像の下茎部分、緑色は若い種子。これから段々と黒くなりっていく。
根の一部に膨らみがあるが、匐枝は出さない。
花名の由来は、葉の形がランに似ていて薮に生えることから!!
草丈は30センチから50センチくらいになる。
葉は根際から生え線形で艶があり、茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出す。
淡い紫色の小さな花を沢山つけ、花被片は6枚で、丸い釣鐘形をしている。
花の後には液果状の種子ができ、黒紫色に熟す。
黒紫色の種子は滋養、強壮、催乳、咳止めの効果をもち(大葉麦門冬)根は強壮剤として用いられる。


9月20日誌「大和市泉の森」

#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍草・/・古往今来171》荒地盗人萩

アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩) マメ科(Fabaceae)
学名:Desmodium paniculatum

花の名前がなんとも不可思議! 咲いた花は可憐だ。
似ているヌスビトハギやフジカンゾウの種はサヤに2個あるが、
アレチヌスビトハギは3~6個と数が多い。
日本固有のヌスビトハギやフジカンゾウと違い、北アメリカ原産の帰化植物。
道ばたや造成地などの荒れ地に生育するとあるが、里山の林縁でみた。

草丈50cm~1m位、茎は、ほとんどの場合斜上する。
初秋、茎の先に長さ20~30cmほどの房状(総状花序)の花序に、
長さ1cm位の小さな淡紅紫色の花を、花茎に並べるように多くつける。
葉は三出複葉(3枚の小葉からなる葉)、小葉は、細長く長さ5~8cm、
幅2~4cmほどで葉先は三角形状。時に、葉先は丸味を帯びることもある。
果実は袋果で、果実の袋が3~5個であるのが特徴。
果実は緑色から秋に入るころには褐色に熟す。
果実には毛が密生していて衣服などにくっつく「ひっつき虫」。

解説書にはかような記載があるが、なかなかどうして可憐に咲いていた。

■似たのものとの区別・見分け方
草姿や花序が仲間(同属)のヌスビトハギやフジカンゾウに似ています。
○ヌスビトハギでは、個々の花は長さ5mmほどととても小さいのに対して、
フジカンゾウやアレチヌスビトハギでは花も果実も倍近く大きい。
また、ヌスビトハギやアレチヌスビトハギの葉は小葉3枚からなる葉、
であるのに対して、フジカンゾウでは葉が奇数羽状複葉であることで容易に区別できる。
なお、ヌスビトハギは、植物学的にはマルバヌスビトハギの亜種または変種とされ、
ヌスビトハギでは頂小葉が基部の方で幅が広いのに対して、
マルバヌスビトハギでは葉先の方で幅が広いことで区別する。

9月19日誌「大和市泉の森」

#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍草・/・古往今来170》蔓穂

花は下から開花していく。
てっぺんが開花する頃、下部は、すでに種子状態!?!

ツルボ(蔓穂) クサスギカズラ科(Asparagaceae)
学名:Scilla scilloides (Lindl.) Druce

山野の日当たりのよいところに見える。
地下に鱗茎と呼ばれる丸い玉を持ち、強い繁殖力のため雑草として嫌われる。
しかし、鱗茎にはたくさんのデンプンを含み食用の山野草(救荒植物)である。
葉の間から20~40cmの花茎が立ち、先端に4~7cmの穂状の総状花序をつける
花は密につき、薄い紅紫色をしている。 花被片は6枚、雄蕊も6本である。
淡紫色・・薄い紅紫色の花をたくさんつける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
蔓のような花穂、とか穂が連なるとか、花名の由来は、不明だが、
別名を参内傘(サンダイガサ)と云われる由。
宮中に参内するとき貴婦人が使った柄の長い傘を畳んだ形が似ているのだとか!?!



9月18日誌「大和市泉の森」

#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

《襍草・/・古往今来169》野原薊?

野薊・・野原薊、どちらだろう? 花名はややこしい!!
総苞の感じで・・・野原薊に。。。秋だしね。

ノハラアザミ(野原薊) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Cirsium tanakae (Franch. & Sav.) Matsum.
  ;Cirsium oligophyllum (Franch. et Savat.) Matsum.

野原薊(ノハラアザミ)はキク科アザミ属、日本固有種。
北海道から本州の中部地方にかけて自生分布。
草丈は60センチから100センチ位。
茎は真っ直ぐに伸び、上部で枝分かれをする。
根際から生える葉は花期にも残り、羽状に深く裂ける。
茎につく葉は上部ほど小さく、つけ根では茎を抱く。
開花時期は8月から10月。
頭花は紅紫色で、枝の先に直立してつく。
頭花は小さな筒状花の集合体である。
ときにほとんど柄が無く2-3個集合して付くことがある。
筒状花は両性花で雄しべと雌しべをもつ。
花の先にある針のような棒が雄しべである。
花の後にできる実はそう果。
(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)。
名前のよく似た野薊(ノアザミ)は、開花時期が早く5月から8月。
また、野薊(ノアザミ)は頭花のつけ根にある総苞がふくれて粘着する。
野原薊(ノハラアザミ)は、総包片が短い針状になりやや反り返る。
全草を生薬で小薊(しょうけい)といい、強壮、利尿、止血、消腫の薬効がある。
属名の Cirsium はギリシャ語の「cirsos(静脈腫)」。
静脈腫に薬効のある植物につけられた名が転用された。

9月17日誌「大和市泉の森」

#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

×
  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ