7月
19日,
2015年
“囈・フェンシング”《襍感 ・/・拈華微笑24》
雑務処理に懸命でニュース等全然見ていなかった。
家族が、“フェンシングの太田さんが・・・!”と食事の時に、、、。
モスクワで行われているフェンシング世界選手権第4日目の男子フルーレ個人戦で、
2008年北京五輪銀メダリストの太田雄貴(森永製菓)選手が決勝戦に勝利した。
それもアレクサンダー・マシアラス(米国)選手を破っての世界一。
“おめでとう・・・!!”とっても感慨深い。決勝の対戦相手が、米国の選手だったから。
北京五輪の時にも記したことだが米国フェンシング界と日本人には繋がりがある。
2020年の東京オリンピック問題で騒然としてるとき、
その誘致活動に尽力していた太田さんが、何かスッキリとさせてくれた!!
国立競技場建設が、白紙になりより良い・・最適なスタジアムになることを祈りたい。
日本人の創意工夫、建設施工者の尽力で万全な態勢を敷いてほしい。
昨今の隣国関係の中で、日本人の「和の文化」を堂々と魅せて欲しく期待する。
7月
14日,
2015年
“2015梅雨期・囈AZUSAI”《襍感 ・/・拈華微笑23》
梅雨??・・・もう明けた・・・って思う天候。ひたすら“暑い”
自宅に居れる時間が少し戻ってきた。
梅雨の華・自生紫陽花を今年はついに拜することができなかった。
世に園芸種紫陽花が、百花繚乱の如く植裁され咲き誇っている。
鎌倉のある寺は、ヤマアジサイ園芸種の宝庫とも呼ばれているが!!
紫陽花を寺境内に植裁した鎌倉の寺は、北鎌倉「明月院」が最初だろう。
園芸種の多くは、自生地で発見された変わりものに品種名をつけたもが多い。
牧野富太郎博士によって「ヒメアジサイ」と名付けられた個体の挿し木増殖、
それの代表的な植裁場所が、高知の牧野植物園、鎌倉名月院、千葉本土寺である。
アジサイは、その性質によっていくつかの分類にわけられている。
さらに分類の下に沢山の園芸品種が存在。
ガク咲きをガクアジサイ、テマリ咲きの品種を西洋アジサイなど言うは、誤解の基である。
以下ほどに種類がある。画像を添付したいところだが、手持ち不足。
総てを網羅できない。雑多な一覧だけで恐縮だが知り得ているだけ表記。
アジサイの分類 アジサイ(ハイドランジア)、Hydrangeaceae (アジサイ科)
学名;Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. var. macrophylla
以前、両親は、鉢植えで120品種以上のヤマアジサイを育てていた。
それらは、総て仲間の方々に遺品としてお引き受け頂けた。
今年は、紫陽花行脚ができなかった事もあって、文面だけで羅列してみたい。
見てくださった方の参考になればと思うが、、、!?!
日本のアジサイ;
1. ガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalis
基本種のガクアジサイは伊豆諸島、三浦半島の海岸、伊豆半島西岸に分布。両性花、装飾花とも青。
a. アジサイ(ホンアジサイ) Hydrangea macrophylla f. macrophylla
ガクアジサイの両性花がほとんど装飾花になったもの。テマリ型
b. セイヨウアジサイ(ハイドランジャ) Hydrangea macrophylla f. hortensia
日本から渡った様々なアジサイをヨーロッパで改良したもの。園芸種多数。
c. 石化八重アジサイ Hydrangea macrophylla f. domotoi
日本の古品種。茎が帯状になる帯化で花は塊のような八重花。「十二単衣」
d. ウズアジサイ Hydrangea macrophylla f. concavosepala
日本の古品種。ガク片がまるまってカップ状にへこんだ形をしている。「うずの舞」
e. フイリガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. variegate
江戸時代からある葉に白の斑が入るガク。黄斑も出る。花より葉を観賞。
f. 黒軸アジサイ Hydrangea macrophylla f. mandschurica
若枝が全て紫黒色になる古品種。花はテマリで青かピンク。
g. ヒメアジサイ(ロゼア) Hydrangea macrophylla f. amoena
ホンアジサイと違い葉に光沢が無く、質も薄い、寒さに弱く乾燥にも弱い。
h. マリエシイ(モモイロアジサイ) Hydrangea macrophylla f. mariesii
里帰り古品種。イギリスの園芸家、チャールズ・マリーズが1879に持ち帰った。
装飾花の多い中間型のガクでセイヨウアジサイの元になった。
2. ヤマアジサイ Hydrangea serrata
落葉性低木。本州の関東地方(福島県)以西の太平洋岸、四国、九州に分布。
多くの変異が発見され園芸品種になっている。
a. ベニガク Hydrangea serrata f. rosalba(japonica)
ひし状円形の装飾花の縁に鋸歯を生じ、白から紅色に染まる。
b. シチダンカ Hydrangea serrata f. prolifera(stella)
シーボルトが紹介した幻の花、六甲山で再発見されたが同じ花か疑問も。装飾花が八重になる。
c. マイコ Hydrangea serrata f. belladonna
両性花が全て装飾花になりテマリ状になる。
d. キヨスミサワ Hydrangea serrata f. pulchella
千葉県清澄山で発見された。装飾花のガク片は紅の色に縁取られる。
e. コアマチャ Hydrangea serrata var. thunbergii
ヤマアジサイの中で特別に葉に甘味を持っているものを言い外見の違いは無い。
f. オオアマチャ Hydrangea serrata var. oamacha
アマチャの中で茎が太く大きくなるものをこう呼ぶ。長野県信濃町で栽培されている。
g. アマギアマチャ Hydrangea serrata var. amagiana
天城山自生のもの。葉が非常に細く鮮やかな緑色をしている。
h. エゾアジサイ Hydrangea serrata var. megacarpa(subsp. Yezoenis) 亜種
裏日本地帯から北海道南部にかけて雪国の主として山地に分布する。
従来、エゾアジサイはガクアジサイかヤマアジサイの北方型といわれてきた。
最近の遺伝子分析ではヤマアジサイよりもガクアジサイのほうに近いことが分かってきた。
その場合はHydrangea macrophylla f. megacarpaとなる。ヤマアジサイに比べて葉が大きく花も大きい。
i. ニワアジサイ(ユキアジサイ) Hydrangea serrata f. cuspidate
長野県野尻あたりから新潟県・山形県にかけて豪雪地帯で栽培されている。
エゾアジサイから生まれた園芸品種か。大変美しいが雪国以外での栽培は難しい。
j. ヒュウガアジサイ Hydrangea serrata var. minamitanii
宮崎県五ヶ瀬から鹿児島県境鰐塚山あたりに分布、ヤマアジサイの変種。
水がしたたる斜面を好む。ヤマアジサイとの違いは葉柄や葉裏全面に毛がないことと、枝が下垂すること。
花色は淡いピンクからピンクへと変化する。 絶滅危惧IB類(EN)、南谷忠志氏が研究発表。
k. ナンゴクヤマアジサイ Hydrangea serrata var. australis
宮崎県、鹿児島県に分布。ヤマアジサイの変種。ヤマアジサイより葉が大きい。
この地域はヤマアジサイ、ヒュウガアジサイ、ナンゴクアジサイが混在する。
3. コアジサイ Hydrangea hirta
関東以西の本州、四国、九州に分布。落葉性の低木。青い両性花のみをつける。
4. タマアジサイ Hydrangea involucrate
福島県から岐阜県にかけて、伊豆諸島、四国、九州(トカラ列島)の湿潤な林縁に分布。
関東ではヤマアジサイと同所的に分布する。蕾は苞にに包まれ球形。
開花期は7月~9月とアジサイ類では最も遅い。
a. テマリタマアジサイ Hydrangea involucrate f. steilis
丹沢で発見、タマアジサイのテマリ型。
b. コ コノエタマアジサイ Hydrangea involucrate f. plenissima
箱根二子山で発見。両性花が無く、全て八重化して複雑華麗になっている。
c. ギョクダンカ Hydrangea involucrate f. hortensis
タマアジサイの八重化品、ガク片は円形。
d. ヨウラクタマアジサイ Hydrangea involucrate var multiplex
伊豆の大島で発見、甲府付近でも見つかっている。八重の無性花が幾重にも重なっている。
e. ヤエノギョクダンカ Hydrangea involucrate cv. Hortensis
装飾花と両性花が八重になる園芸種
f. シロバナタマアジサイ Hydrangea involucrate f. leucantha
装飾花、両性花ともに純白
g. ラセイタタマアジサイ Hydrangea involucrate var. idzuensis
伊豆七島などの大型で葉が厚く毛深い品種
h. トカラタマアジサイ Hydrangea involucrate var. takaraensis
鹿児島県トカラ諸島に自生(絶滅危惧種)
5. ツルアジサイ(ゴトウヅル) Hydrangea petiolaris
日本全国、南千島、サハリン、朝鮮南部の湿潤な森林内に分布。落葉性、つる性の木本。
気根を持ち樹上や岩上を這い上がる。
ガク片の発達した装飾花を持つ。両性花、装飾花のガク片は白。
6. ヤハズアジサイ Hydrangea sikokiana
葉の先端がヤハズ(矢筈)状に切れ込みがある。紀州から四国、九州にかけて分布する。
花序はガクブチ型でガク片の色は白。
7. ガクウツギ(コンテリギ) Hydrangea scandens
関東地方西南部から四国、九州に分布。ただし伊豆半島と中国地方には分布しない。
落葉性低木。ガク片の発達した白色の装飾花を持つ。強い香りがある。
8. コガクウツギ Hydrangea luteo-venosa
本州の伊豆半島、近畿、中国地方、四国、九州に分布。落葉性の小低木。
ガク片の発達した、白い装飾花のある花をつける。
強い香りがある。園芸種に八重テマリの「花笠」。
9. ノリウツギ Hydrangea paniculata
日本全国、南千島、サハリン、中国、台湾の林縁地に分布。
装飾花のガク片が紅色に着色する固体がある。
名前の由来は幹の内皮に含まれる粘液を和紙を漉くときの糊料に用いたことによる。
園芸種は矮性の「ダルマウツギ」、全て装飾花になった「ミナヅキ」などがある。
a. ミナズキ Hydrangea paniculata f. grandiflora
ノリウツギの両性花が全部装飾花になったもの。
b. ヒダカノリウツギ Hydrangea paniculata f. debilis
ノリウツギの装飾花の無いもの。北海道に稀産する。
c. エゾノリウツギ Hydrangea paniculata var. praecox
北方産ノリウツギで早咲き、普通のあじさいと一緒に咲く。
d. ビロードノリウツギ Hydrangea paniculata var. velutina
愛知県産、葉の両面に毛が密生する。
e. ベニノリノキ Hydrangea paniculata f. rosea
装飾花が紅色
10. リュウキュウコンテリギ Hydrangea liukiuensis 絶滅危惧種Ⅱ類
沖縄本島に分布。両性花のみのコンテリギ。
11. ヤクシマコンテリギ(ヤクシマアジサイ) Hydrangea grosseserrata
屋久島、トカラ列島、徳之島に分布。葉は細く鋸歯荒い。
12. ヤエヤマコンテリギ(シマコンテリギ) Hydrangea yayeyamamensis
八重山列島に分布。葉は厚く常緑。
13. トカラコンテリギ(トカラアジサイ) Hydrangea kamagoeana
屋久島、トカラ列島、奄美大島、徳之島、沖縄、台湾、中国に分布。
但し、野生にはコガクウツギとヤマアジサイの自然雑種や変種などが存在する。
学名の読み方;
「f. Forma 品種 var. Varietas 変種 cv. 園芸品種 subsp 亜種」
自然交雑種
コアジサイ×コガクウツギ アマギコアジサイ
ヤマアジサイ×コガクウツギ 五家荘ヤマアジサイ、伊予の五月雨、瀬戸の月
アジサイ属の近縁種
1. バイカアマチャ (バイカアマチャ属) Platycrater arguta
静岡以西~九州、暖地の山地に見られる落葉低木、花に特徴がある。
2. クサアジサイ (クサアジサイ属) Cardiandra alternifolia
本州(宮城県以南)、四国、九州に分布、多年草でアジサイに似た花をつける。
a. アマミクサアジサイ Cardiandra amamiohsimemsis
奄美大島、西表島、台湾、中国に分布、絶滅危惧種ⅠA類
b. オオクサアジサイ Cardiandra moellendorffii
西表島、中国南部、台湾に分布。
c. オオバナノクサガク Cardiandra alternifolia f. mirabilis
d. ハナクサアジサイ Cardiandra alternifolia f. Formosa
e. ミヤマクサアジサイ Cardiandra alternifolia var. oppositifolia
3. イワガラミ (イワガラミ属) Schizophragma hydrangeoides
北海道、本州、四国、九州の山地、落葉つる性木本 、白い1弁の装飾花を持つ。
4. シマユキカズラ (シマユキカズラ属) Pilecostegia vibrumoides
奄美大島以南と和歌山県本宮町
5. ギンバイソウ (ギンバイソウ属) Deinannihe bifida
関東以西から九州山地の谷沿い。葉の先端が2裂
※分類体系はエングラーによる。※
1988年のクロンキストの分類体系では草本の属をユキノシタ科、
木本の属をアジサイ科(Hydrangeaceae)。
世界のアジサイ
◇タマアジサイ亜節
1. アスペラ Hydrangea aspera 中国、ヒマラヤ タマアジサイ類、花は白
2. カワカミー Hydrangea aspera 'kawakamii' 台湾 タマアジサイの近縁種
3. ロブスタ Hydrangea aspera 'robusta' ヒマラヤ、シッキム、ブータン
4. サルゲンティアナ Hydrangea sargentiana 中国
アスペラの近縁種、葉が大きく枝に剛毛が生えている。
5. ウィローサ Hydrangea villosa 中国
アスペラの近縁種、両性花は紫、ガク片は薄青紫
6. ストリゴーザ Hydrangea strigosa 中国、ヒマラヤ
アスペラの別名?秋咲き種説
7. グラブリペス Hydrangea glabripes 中国 アスペラの近縁種
8. ロンギペス Hydrangea strigosa 中国
アスペラの近縁種、葉柄が長く、花は桃褐色、ガク型
◇ノリウツギ亜節
1. ブレッチナイダリー Hydrangea bretchneideri 中国 ノリウツギ近縁種、白、ガク型
◇ツルアジサイ亜節
1. タイワンツルアジサイ Hydrangea anomala 台湾、中国南部、ヒマラヤ東部
◇アジサイ亜節
1. 台湾トキワアジサイ Hydrangea chinensis
台湾 アジサイ類 長葉コンテリギ同一?、常緑の小低木、両性化・装飾花ともに白
2. サンスクク Hydrangea serrata var. sp. 済州島、南朝鮮 ヤマアジサイ近縁種
◇アメリカナ亜節
1. アルボレスケンズ(アメリカノリノキ) Hydrangea arborescens 北米 ノリウツギ類
a.アナベル Hydrangea arborescens cv Annabelle 純白、葉は小さい、テマリ型
2. カシワバアジサイ Hydrangea quercifolia北米 ノリウツギ類、切れ込みのある大型の葉
a. スノークィーン Hydrangea quercifolia cv snow-queen 装飾花の多いもの。
b. ハーモニー Hydrangea quercifolia cv harmony 花が全て装飾花になったもの。
3. ラデイアータ Hydrangea radiate北米 ノリウツギ類、花は白、ガク型
以上の参考資料
*グリーンブックス53 アジサイ 山本武臣著 ニュー・サイエンス社
*日本のアジサイ 日本アジサイ属園芸図鑑 山本武臣解説 一関観光協会
*園芸豆図鑑特集号 あじさい 相模原市みどりの協会
*NHK趣味の園芸 ハイドランジア紫陽花 花岡喜重 NHK出版
「襍囈」
6月
28日,
2015年
“森の定点観察(3)”《襍観 ・/・拈華微笑22》
ナンテン(南天) メギ科(Berberidaceae)
学名:Nandina domestica Thunb.
メギ科ナンテン属 Nandina(南天竹屬)は、全世界にこれ1種。
高さ1-3mの落葉低木。茎は肥大成長せず、あまり太くならない。
葉は密生し、小葉は長さ3-7cmの披針形でやや革質、光沢がある。
茎の先の円錐花序に白い花を多数つけ、芽吹き時や晩秋に葉は赤く染まる。
果実も多数つき赤く熟すが、果実が白色や紫色の園芸品種もある。
名前の由来、中国名「南天燭」の略称 。
ナンテンは、梅雨期に花を付け森に彩りを添えてくれるが、、、!
雨で花粉が流れてしまうと実が付きにくく野生化した南天は実がまばら。
葉にはタンニンが含まれ、防腐作用もある。
果実は、咳止めの薬や飴に今でも用いられているようだ。
「大和市・泉の森2015 6/24」
6月
28日,
2015年
“森の定点観察(2)”《襍観 ・/・拈華微笑21》
コブシ(辛夷) モクレン科
学名:Magnolia kobus (=M. praecocissima)
別名:ヤマアララギ、コブシハジカミ
春に大きな白い花を付ける樹木だが、実の形は一寸グロテスク。
名の由來、実の形が(あるいは蕾の形が)拳に似てることから。。。?
別名のヤマアララギ・コブシハジカミは、実が有毒で、噛むと辛いからか!?!
(あららぎはノビル、はじかみはサンショウを意味する。)
昨今、この樹は同属の「タムシバ」か、とも思ってみたが。やはりコブシのようだ。
コブシは、公園等でも見えるがタムシバにはなかなかお目にかからない。
日本海側山地、1000mを超す月山山麓では6月が見頃と聞く。
今年は訪ねたいと思っていたが、「朋、遠方より来る」で行けずに終わりそうだ。
コブシは花の下に一枚の葉が付くが、タムシバでは付かない。
白い萼片が3枚あり小さな花弁のように見え、葉の形はコブシに比べると細長い。
細い枝を折って匂うと、良い香りがするのでニオイコブシともいう。
学名、Magnolia salicifolia(モクレン科モクレン属)。
salicifoliaは「柳の様な葉」を意味する、コブシに比べ葉が細いことを指すか!!
この目で比べてみたいのだが。。。
「大和市・泉の森2015 6/24」
6月
28日,
2015年
“森の定点観察(1)”《襍観 ・/・拈華微笑20》
マヤラン(摩耶蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cymbidium macrorhizon (C.nipponicum)
定点觀察している場所で今年も沢山の茎が立ち始めた。
以前は初秋に見られたが、初夏に姿を見せ始めて数年を数える。
今年は、観察する時間が持てず一寸の合間に出かけて見た。
未だ咲き始めだ。後1週間もすれば開花するだろう。
漢名では、腐生蘭という。胞子によって繁殖する腐生植物、葉がない。
「大和市・泉の森2015 6/24」
6月
14日,
2015年
“森の可愛い花”《襍草 ・/・拈華微笑19》
今年は、梅雨入りしてもそれほど降水量はない(神奈川県内)。
しばらく前、晴れた!!昼間、近間の森を散歩した。
小鳥たちの囀りしか聞こえない散策路で可愛い花と出会った。
庭木に見えるムラサキシキブ似の木は、コムラサキ(学名:Callicarpa dichotoma)である。
ムラサキシキブは自生種の落葉低木で樹高5m位に成長する。
自生野種のムラサキシキブは、枝の上部に花や実を付け花は、まばらにつく。
園芸種のコムラサキは、同間隔にまとまった実をつける違いがある。
コムラサキは、実の色が緑~白~赤紫色に熟す様子が見て取れる。
自生種も同じだろうと思うが変化を観察できたことがない。
この様子・変化は、短期間で変わり、毎日見ないと分からない。
樹名は、紫の実が敷きつめられた「紫敷き実(しきみ)」か「紫茂実(しげみ)」に由來する由。
「大和市・泉の森」
6月
10日,
2015年
“梅雨の花・紫陽花”《襍崋 ・/・拈華微笑18》
アジサイの季節到来。梅雨に入ったのだが、、、。
今年は、アジサイ探訪の旅ができそうにない。
所用の合間を縫う時間が持てないのだ。
春先に下調べと思って伊豆に参った。
伊豆半島の東側から南にかけてガクアジサイ系は、種々見られる。
そんな中で海岸近くでホンアジサイ(自生種?)が見られるところが一ヶ所あった。
楽しみに生育状況を見に立ち寄ったが・・・!!
周辺は綺麗に!?!整地???樹々・草花が全く無い。
まるで法面を見ているようだ。ショックで、言葉もない。
行政は、自然を如何に考えているのか???
稀少な植物を一掃するなんて、後の祭りである。
万が一に生きていたとしても数年は花は咲かないのではないか。
だが、根が生きていることを祈りたい。
このようにして、野生・自生種は・・・消えていくのか。怒り心頭だ。
此処に記しているアジサイは、上の画像の通りの手毬形アジサイ(紫陽花の姿)。
アジサイ(ホンアジサイ)H.macrophylla f.macrophyllaは、
ガクアジサイ f.normalis から自然交配した品種と言われる。
(アジサイ科の植物について、川島榮生『アジサイ百科』アポック社、2010を参照。)
花序は殆どが装飾花(装飾花は大きな花弁の様な萼で雄蕊と雌蕊が退化し実を結ばない。)
古くから国内に自生していたと思われる(万葉集等)。
日本から中国へ渡ったとも言われている。
西欧へは、1789年、イギリスのバンクス卿が中国からキュー植物園にもたらした。
1800年頃にはイギリス国内にかなり普及し、多くの園芸品種が作られた。
第二次世界大戦後、日本に逆輸入したものをセイヨウアジサイと呼んでいる。
かつて、シーボルトはこの品種を H. otaksa と命名したが、学名として使われてはいない。
よく云われる花色、、、!
アジサイの花色は、アントシアニン(色素)に金属のアルミニウムが関係して青色花になる。
酸性の土壌では藍色になり、アルカリの土壌では紅くなると言われる所以。
日本の多くの土壌中にはアルミニウムが沢山含まれており、
土壌が酸性だとアルミニウムは植物に吸収され、アルカリ性だと水に溶けないので吸収しない。
酸性でアルミニウムが多い土壌では植物の生長は妨げられてしまうが、
アジサイは、アルミニウムを吸収できる植物として知られ、生育障害も起こさない。
土壌の酸性度によって変化、土壌中のアルミニウムが吸収されて青の色素が作られ、
アルカリ土壌だとアルミニウムの吸収が少なく、赤色色素になる。
和名の語源は、一説に「集(あづ)真(さ)藍(あい)」(『大言海』)。
漢字で紫陽花と書くは、白居易(772-846)「紫陽花」詩の自註に、
「招賢寺(浙江省杭州の霊隠山)に山花一樹あり、人の名を知るもの無し。色は紫にして気は香し。
芳麗愛すべく、頗る仙物に類す。因りて紫陽花を以て之を名づく」とある(『白氏文集』)。
ただし、この紫陽花がいかなる植物であったのかは不明という。
日本では、源順『倭名類聚抄』(ca.931-938)に
「白氏文集律詩に云ふ、紫陽花、和名安豆佐為」とあり、
平安時代以来 紫陽花はアジサイを指すものと考えた。
属名 Hydrangea は、ギリシア語の「水の器、水差し」。
果実の形から(一説に、よく水を吸い上げることから)。
「平成20年6月、飲食店で料理の飾りに出されたアジサイの葉を食べたことによる中毒事例が発生した。
厚生労働省は、飲食店及び消費者に対し、アジサイを食品とともに提供及び喫食しないように注意を喚起し、
また販売者に対し、食品又は料理の飾り用に販売しないように通知を出した。」
シーボルト P.F.B.von Siebold(1796-1866;滞日1823-1829)は、
アジサイを『日本植物誌』に Hydrangea otaksa と名づけて紹介し、
オタクサは、この植物の日本名であるという。
しかし、後に牧野富太郎はそのような和名はないと否定した。
オタクサは、シーボルトの日本人妻、楠本お滝の名前と記している。
シーボルトが呼んでいた「おたくさん」に因んだものと解釈した。
長崎鳴滝の史跡シーボルト邸跡には多くのアジサイが植裁され昭和43年から長崎市の市花である。
「伊東市川奈にて2014・6」
6月
1日,
2015年
“面白い形の樹の実”《襍樹実 ・/・拈華微笑17》
成長が早いので街路樹・公園の林の中などでよく植裁されている。
春先に淡黄色の長さ2~3㎜と小さい雄花と両性花が同じ花序に混生してつく。
花後に見せる実は翼果、翼は逆さU字形で余り開かないとされるが綺麗な翼を見つけた。
「大和市・泉の森」
5月
28日,
2015年
“庭の花暦2015・5_4”《襍草 ・/・拈華微笑16》
エゾスカシユリ(蝦夷透百合)
今年も健気に姿を見せてくれた。
だが咲く時期が2週間も早い。おまけに小ぶり。
こうして微妙に季節・気候は、変化していくのだろう。
植物の成長にも微妙なる変化が!!
「自宅2015・5・25」
5月
26日,
2015年
“林床の小さな植物”《襍草 ・/・拈華微笑15》
イチヤクソウ(一薬草) ツツジ科(Ericaceae)
学名:Pyrola japonica Klenze ex Alefeld
(かつてはイチヤクソウ科とされたが、旧イチヤクソウ科は新しいAPG植物分類体系では全てツツジ科)
一薬草を古くは、日本鹿蹄草( ri ben lu ti cao )などとも呼んでいた由。
古い文献、小野蘭山『本草綱目啓蒙』12(1806)には、
「鹿蹄草イチヤクサウ ノアフヒ若州 アタゴゞケ加州 カゞミサウ淡州 カゞミグサ江州
ヤマサイシン河州 キツコウサウ江戸 スゞラン同上 ベツカウサウ同上 マキオモテ和州」とある。
一つで多くの病気に効く薬草ということで名付けられたとも言われている。
雑木林(クヌギ等)の林床にひっそり・・と言った風情で、健気にも楚々と立っていた。
「大和市・泉の森2015・5・24」