23日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は一進一退で始まりました。米国がイランの核施設を攻撃したことを受け、投資家のリスク回避姿勢が強まりました。一方、原油先物相場の上昇が限定的なこともあり、株式には買いを入れる動きが見られ、ダウ平均株価は上昇に転じる場面が出ています。
米国が21日、イランの複数の核施設を空爆しました。<トランプ米大統領>は同日夜の演説で「完全に破壊した」と語り、その後もイランとイスラエルの攻撃の応酬が続いており、状況が悪化するとの懸念があります。<トランプ米大統領>はイランの報復には断固とした措置をとる考えを示しています。ダウ平均株価の構成銘柄ではありませんが、ロッキード・マーチンやRTXといった軍需関連株が買われています。
市場には原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖への警戒も出ています。イラン国営メディアによると、同国の国会は22日にホルムズ海峡を封鎖することを決議しています。
一方、<バンス米副大統領>は22日に米NBCニュースの番組で、「イランと戦争をしているのではない。イランの核開発計画と戦っている」と述べています。限定的な攻撃であることを強調し、全面衝突を望まない考えを示しています。ホルムズ海峡の封鎖を巡っては、<ルビオ米国務長官>が22日、イランがホルムズ海峡を封鎖しないよう求めることを中国に呼びかけたと伝わりました。
23日朝のニューヨーク原油先物市場ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物が小幅に下落しています。原油高を通じた物価の上昇や景気の悪化への懸念が高まっていないことは、株式相場の支えとなっています。
ダウ平均株価は、前週末比374ドル96セント(0.89%)高の4万2581ドル78セントで終えています。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価は、前週末比183.56ポイント(0.94%)高の1万9630.98で終えています。
S&P500種株価指数は、前週末比57.33ポイント (0.96%)高の6025.17で終えています。