12日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前引けは前日比271円70銭(0.71%)安の3万8149円49銭でした。
米関税政策の先行き不透明感を背景とした売りが優勢でした。円相場が「1ドル=143円台」まで強含んだことを受けて輸出関連株が下げたほか、海外短期筋による株価指数先物への売りも出ています。日経平均株価はこのところ一方的な上昇が続いてきたとあって利益確定売りも出やすくなっています。
11日の米株式市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落でした。
5月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想に届かず、米長期金利が低下し、ドル安・円高が進みました。12日の東京市場では円高進行による輸出採算の悪化懸念からトヨタなどの自動車株の一角が売りに押されています。
米ブルームバーグ通信は12日早朝に「トランプ米大統領が一方的に関税率を設定し、今後1週間半から2週間以内に各国・地域に書簡を送ると述べた」と報道しています。関税引き下げの交渉余地の乏しさや関税交渉延長の不透明感も日本株の売りを促しました。
日経平均株価は急速に下げ渋る場面もありました。市場では、事業法人による高水準の自社株買いが続いているほか、このところの相場の戻りを背景に個人の投資余力は依然として大きく、日経平均株価のきょうの下げは利益確定売りの範囲内にとどまりそうだみられています。
終値は5営業日ぶりに反落し、前日比248円10銭(0.65%)安の3万8173円09銭で終えています。