29日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は小反発して始まりました。<トランプ米政権>が導入した関税の一部差し止めを命じられたことを受け、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が和らいでいます。前日夕に四半期決算を発表したエヌビディアが上昇し、ダウ平均を支えている面も見られます。
28日、米ホワイトハウスの報道官は「政権はあらゆる執行権限を駆使してこの危機に対処し、米国の偉大さを取り戻す」と述べていますが、市場では関税の一段の引き上げのリスクが下がったとみて、株買いを促しています。
また、関税の差し止め命令が出たことで、関税を巡るリスクが低下したとの見方が出た半面、大統領が通商法301条を適用するなど違う手段を用いて関税を発動するとの観測も浮上しており、不透明感がむしろ強まり、ダウ平均株価は一時は270ドル下げる場面もあるなど方向感が定まりませんでした。
ダウ平均株価は、前日比117ドル03セント(0.28%)高の4万2215ドル73セントで終えています。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価は、前日比74.93ポイント(0.39%)高の1万9175.87で終えています。
S&P500種株価指数は、前日比23.62ポイント (0.40%)高の5912.17で終えています。