7~9月期の国内総生産@年率換算で(3.0%)減
11月
15日
政府は年内にGDPをコロナ前の19年10~12月期の水準に戻す目標を掲げていますが、回復の足取りは鈍いようです。10月以降は国内で新規感染者数の減少が続く一方、原油などの資源価格が高騰しており、景気への悪影響が懸念されています。
内需の柱である個人消費は前期比(1.1%)減。新型コロナの感染再拡大に伴い、政府は7月に4度目の緊急事態宣言を発令し、9月末の期限で全面解除した。夏休み期間中などに外出を控える動きが広がり、サービス消費が低調でした。ほぼ無観客の開催だった東京五輪・パラリンピックは景気押し上げ効果を発揮していません。
また、世界的な半導体不足に加え、東南アジアでのコロナ感染拡大に伴いサプライチェーン(供給網)が混乱。国内の自動車工場が減産を強いられ、供給不足で新車販売が低迷しています。巣ごもり需要が一巡したことで家電販売も落ち込んでいます。
設備投資は自動車や建設、生産用機械が不振で(3.8%)減。輸出は自動車の減産が打撃となり、(2.1%)減と5四半期ぶりにマイナスに転じています。一方、政府支出はワクチン接種費用を計上したことで(1.1%)増になっています。
物価変動の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPは前期比(0.6%)減、年率(2.5%)減でした。