経営危機「中国恒大集団」（６）

経営危機に陥っている中国不動産開発大手の「中国恒大集団」は２９日、子会社の保有する盛京銀行（遼寧省瀋陽市）の株式を約１００億元（約１７００億円）で売却すると発表しています。

「恒大集団」はこの日、ドル建て社債の新たな利払い期日を迎えましたが、調達資金が利払いに充てられるかは不明です。

「恒大集団」は既に２３日が期日だった別の社債の利払い８３５０万ドル（約９３億円）が実行できておらず、２９日にも新たに４７５０万ドル（約５３億円）を支払う必要がありました。期日から３０日以内に利払いができなければデフォルト（債務不履行）となります。「恒大集団」はこのほか、年内にドル建て社債の利払いが計５億ドル（約５６０億円）分、残っているようです。

「恒大集団」が香港証券取引所に提出した公告によりますと、「恒大集団」の全額出資子会社が保有する盛京銀行の株式約１７億５３００万株を国有企業の瀋陽盛京金控投資集団に売却することで２８日に合意。売却額は１株５．７元としています。盛京銀行は「恒大集団」に対し、売却で得る資金全額を同行への債務返済に充てるよう求めています。

今回の株式売却については、「恒大集団」の経営危機が中国の金融システムに波及するのを懸念する当局が手を打ったとの見方も出ているようです。