ファルコン昆虫記(890)メスの【ヤブキリ】(10)
9月
13日
主に樹上で生活しますが、藪や草原でも見られます。植物が茂った場所であればどこでも見かけると言っても過言ではないほど生息しているようです。
若齢幼虫は「キリギリス」や「ヒメギス」などと混生し、主に花粉や花弁を食べています。しかし成長とともに樹上や藪など草丈の高い方へ移り住むようになります。脱皮回数は通常6回。回数を重ねるごとに肉食性が強くなっていきます。食性はきわめて幅広く、様々な昆虫・小動物から種々の葉・果実、蕾や新芽などを食べる。メスや終齢幼虫は特に貪欲で、自分と同じかあるいはそれ以上の体長のセミなどの相手にも飛びかかって食べてしまうことがあります。
キリギリスの幼虫は背面に二本の線がありますが、本種の幼虫は背面中央及び複眼の後ろから濃い褐色の線が延びて前胸まで続いています。複眼の後ろの線は成長とともに薄れていき、亜終齢幼虫で消えてしまいます。メスの産卵管は長めで、腹部と胸部を足したぐらいの長さがあります。「キリギリス」の下向きと異なりまっすぐに伸びています。