今年の読書(11)『ノーラン・ヴァリエーションズ クリストファー・ノーランの映画術』トム・ショーン(玄光社)
2月
4日
脚本完成までの道、撮影方法、ビジュアルイメージづくり、演出論、音へのこだわりといった監督独自の映画術を、未公開写真や絵コンテ、シーンスケッチをもとに紐解いていく構成になっている一冊です。
芸術性と商業性を兼ね備え、数多くの名作を世に放ってきた<クリストファー・ノーラン>監督。 『インセプション』 (2010年)の構想を寮のベッドで横になりながら練ったこと、弟の<ジョナサン・ノーラン>が書いた短編を基にしている監督の色覚が2作目の『メメント』(2000年)にどう作用したかなど、彼の思考に触れる内容はもちろん、第81回アカデミー賞において8部門にノミネートされ、2部門を受賞した 『ダークナイト』 (2008年)3部作や 『ダンケルク』 (2017年)などの大ヒット作に投影された監督自身の経験、インスピレーション、これまで詳細に語られなかった生い立ちなども明かされています。