国内未確認のバッタ@神戸市東灘区:六甲アイランド
1月
30日
バッタが確認されたのは昨年8月。市立六甲アイランド高校自然科学研究部の部員や教諭が、近くの野鳥園で水質調査を終えて帰る途中、道路脇の草むらの葉の上にいるのを見つけました。
体長約8センチで、鮮やかな緑色ですが、脚だけが赤色でした。国内でよく見られる「ショウリョウバッタ」などよりも大きく、顧問の<岩本哲人(てつじ)>教諭(65)がスマートフォンで写真を撮りましたが、逃げられてしまったといいます。
自然科学研究部の部員は、毎年同校に特別講義に来る生き物科学研究所(兵庫県尼崎市)の<横川忠司>博士(44)に写真を見せて相談。バッタ目バッタ科ツチイナゴ亜科の昆虫(学名・Chondracris rosea)で、東アジアを中心に分布している外来種のバッタだと判明しています。日本で分布していますバッタ目イナゴ科ツチイナゴ属の「ツチイナゴ」に比べますと肢が華奢な感じです。
さらに国内で確認されたのは初めてだとも分かり、「月刊むし」(むし社)の2021年1月号に<横川>博士と<岩本>教諭の研究論文が掲載されました。バッタの形態や発見した場所が神戸港コンテナヤードの近くだったことなどから「海外からのコンテナや船に紛れて侵入した可能性が高い」状況のほか、「生態系の破壊や農業被害の可能性があり、動向を注視すべき」などと警鐘を鳴らす内容も紹介されています。