『モリのいる場所』@<沖田修一>監督
5月
9日
30年間もの間、ほとんど家の外へ出ることなく庭の生命を見つめ描き続けたという「熊谷守一=モリ」のエピソードをベースに、晩年のある1日を、『モヒカン故郷に帰る』(2016年)・ 『横道世之介』 (2013年の<沖田修一>監督がフィクションとしてユーモラスに描いています。
昭和49年の東京・池袋。「守一」が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が住み着いていました。それら生き物たちは「守一」の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる「守一」の日課でしたた。
そして妻の「秀子」との2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れます。「守一」を撮影することに情熱を傾ける若い写真家、「守一」に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人、隣に暮らす「佐伯」さん夫婦、近所の人々、さらには得体の知れない男まで。老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかでした。